スポーツ界でビッグニュースが相次いだ。その筆頭は、プロゴルファーの松山英樹選手によるアジア人初のマスターズ制覇だろう。米プロバスケットボール(NBA)のトロントラプターズと本契約を結んだ渡邊雄太選手、メジャーリーグ(MLB)の大谷翔平選手のリアル二刀流ホームランも脳裏に焼きついた。そしてワールドカップ男女を通じて個人最多の60勝、表彰台に109回立ったことがギネス世界記録に認定されたスキージャンプの高梨沙羅選手、白血病から復帰し東京五輪の競泳代表を勝ち取った池江璃花子選手も忘れられないアスリートになった。いずれも努力を積み重ねた結果である。継続は力なりを実践できる強い心に感服しつつ、改めて己の心の弱さには辟易した。思えば、学問には身が入らず、運動やダイエットも三日坊主。続いたものといえば、仕事ぐらいだが、それも働かざる者食うべからずという若干の強制力があったからにほかならない。とはいえ、己の過去を責めても、未来を憂いても、なにも生まれない。まん延防止、緊急事態宣言を出されても生まれてしまう心の隙を抑えながら、今できることに全力で取り組もうと思う。それは、特集で取り上げたドラッグ各社の創意工夫、アテニアの商品開発へのこだわり、イプサの本社と現場の一体感から教えられたことでもある。過酷な環境下でも知恵を絞れる人材は、アスリートに匹敵する貴重な存在だと思う。