2018年11月設立のTRiCERA(トライセラ)は、現代アートのノーボーダー電子商取引(EC)サイトを運営するベンチャー企業だ。設立から約1年半でフジテレビ系ベンチャーキャピタルなどから出資を受け、急成長していることで注目されている。国内大手オークション会社のShinwa Auction(シンワオークション)と提携して1次流通市場と2次流通市場をつなげる試み、DNPアートコミュニケーションズとの協業で原画の高精度プリント(版画)を限定数販売するなど、新しいビジネスモデルの構築にも挑んでいる。ECに加えて、国内顧客が体験できるリアルの場としては、品川駅にミュージアムも設立。外資系企業ナイキジャパンのサプライチェーンマネージャーとして海外でのビジネススキルを磨いてきた井口泰さんに、トライセラの戦略について聞く。

ゲスト
井口 泰
株式会社TRiCERA 代表取締役

菊池麻衣子(以下、菊池)起業前の井口さんはナイキジャパンに勤めていらっしゃったのですね。なぜアートを主軸に置いた会社をつくったのでしょうか。

井口泰(以下、井口)私は、11〜14歳の間、子役として演技をしていたことがありまして、芸事に慣れ親しんでいました。そのような環境で、音楽でも芸術でも、クリエイティブなことが好きで、憧れていました。その後ニュージーランドの学校を経て神戸の大学に入り、卒業後は一般企業に就職しました。その後、転職してナイキのサプライチェーンマネージャーとなるのですが、そこで「ストーリーを大事にする」というクリエイティブなナイキイズムの洗礼を受けます。何を始めるにも「で、ストーリーは?」と聞かれるのです。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

ログイン