産廃費用の負担を巡り在庫の押し付け合い

化粧品のパッケージは、売れ行きを左右する重要な顧客接点だ。女性の心を動かすために、メーカーがデザイン、配色、質感、素材、形状を競い合うから、化粧品売り場は華やかになる。しかし、その裏では昭和から続く無駄が放置されている。

その一つは廃棄問題だ。パッケージの発注元は化粧品メーカーで、受注するのは容器メーカー。そこから印刷会社に依頼が届き、パッケージを印刷する。当然、印刷数量はメーカーの販売計画に基づいて決まる。ただ、商品の売れ行きが伸び悩むと、パッケージの在庫は宙に浮く。本来はメーカーが在庫を引き取るべきだが、「大半の会社が知らぬ存ぜぬを決め込む」(関係者)という。この皺寄せは、容器メーカーと印刷会社が負う。メーカー、容器メーカー、印刷会社の間で、処理費用を巡る無駄な商談が続き、最後は「産廃業者だけが儲かる」(関係者)という皮肉な結果になる。

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