花王は10月21日、2030年に向けて国連で定められたSDGs(持続可能な開発目標)推進に関し、和歌山市と連携協定を締結した。この連携を通じて、和歌山市の経済・社会・環境の側面における、地域社会の持続的な発展を目的とした活動を実施する。活動期間は10月21日から1年間を予定している。
花王は、和歌山市において1944年に工場の操業を開始し、ファブリック&ホームケア、ビューティケア、ケミカルとさまざまな事業の製品を生産しており、現在、研究所も含めた和歌山事業場は、国内で最大の事業拠点となっている。今回の協定の締結に伴い花王は、和歌山市におけるSDGsの推進と地域社会の持続的な発展に向けて、幅広い事業領域とそれを支える研究技術で貢献していく。具体的には、①海をはじめとした豊かな自然環境の継承に関すること②暮らしやすい地域社会の実現に関すること③未来に向けた人材の育成に関すること④その他和歌山市におけるSDGsの達成に向けた連携協力に関すること――の四つの活動を実施する。
①では、海洋プラスチックごみの調査、リサイクルの推進の他、海洋環境保全に向けた活動に着手する。リサイクルに関しては、15年から花王が提案している、循環型社会への新しいシステム・ライフスタイル「リサイクリエーション」と連携。海洋プラスチックをはじめとする陸上活動に起因する汚染から海を守るため、和歌山市内で回収した海洋プラスチックごみを再生樹脂に加工。さまざまな活用方法(机・椅子として海辺施設での再利用や、道路用高強度剤として海沿いのサイクリングロードでの活用など)を検討。
②では、子育てしやすい環境づくりに取り組む。家事育児の視点で、子育てしやすい環境づくりの実現のため、和歌山市内の子育て世代のモニタリング協力による、魅力ある講座内容や取組手法等の検討を進める。
③では、①と連携した次世代啓発活動に取り組む。プラスチックごみ問題等を題材とした授業プログラムを和歌山市内の小学校で先行実施するなど、地域や社会の課題解決の視点で検証を行ないながら、市全域の活動に広げていけるよう検討を進める。