P&Gは、丸型回転ブラシ搭載の電動歯ブラシ「Oral-B by Braun」ブランドから、第3世代の電動歯ブラシ「オーラル B iO」(オープン価格)を10月2日に発売する。それに先立ち、「Oral B by Braun『オーラルB iO』新製品発表会」をオンラインで9月2日に開催した。
「オーラル B iO」は、歯科クリーニングレベルの磨き上がりを自宅で実現することを目的に、約6年もの開発期間を経て誕生した最上位モデルの電動歯ブラシだ。リニアモーターカーと同じ原理を電動歯ブラシに再現しており、これにより歯科クリーニングレベルの磨き上がりを実現する。同製品は、家電見本市CES にてイノベーションアワードを獲得し、すでにADA(アメリカ歯科医師会)の認定を受けており、8月に先行販売した米国と英国では、予約分として用意した13万本が3日間で完売したという。
オンライン発表会でプレゼンテーションを行った、P&Gオーラルケアアジア部長シニアディレクターの大川正樹氏は、世界の電動歯ブラシの浸透率を比較すると、オーラルケア先進国の欧米諸国では40%を超える国が多いが、日本は10%台にとどまっていることを指摘。その上で、「日本は、迫りくる人生100年時代の超高齢化社会とコロナ禍による新しい生活様式の中で衛生健康意識の転換期にある。そして日本のオーラルケアの現状をみて、避けて通れないのが歯周病。日本では歯周病の患者数が増加傾向にあり、40代以上の約2人に1人が罹っていると言われている。このままでは人生100年時代において、多くの人が人生の半分以上、歯に問題を抱えて過ごさなければならなくなる」と述べた。
さらに大川氏は、「コロナ禍において注目されている口腔環境の悪化が、呼吸器感染症のウイルスのを助けてしまうという説がある。人生100年時代という長期的な視点においてもコロナ禍という短期的な視点でみても、健康衛生対策の一環としてオーラルケアが重要である」と強調し、今後の日本のヘルスケアを考える際、正しく効果的なオーラルケア、中でも高い歯垢除去力を担保できる電動歯ブラシの重要性が増していくとした。
大川氏が述べたような社会背景により、実際にオーラルケアニーズは高まっており、日本のオーラルケア市場は、すべてのカテゴリーにおいて前年を上回る成長を遂げている。電動歯ブラシの市場規模も拡大しており、現在の市場規模は約260億円となった。そうした中、「オーラルB」の伸長率は、コロナ禍における5月時点で前年比約130%を維持し、市場をけん引している。さらに自粛期間明けの6~7月は、高価格帯の高機能モデルの構成比が増加した。
こうしたデータを基に大川氏は「『オーラルB iO』を自宅で歯科クリーニングレベルのセルフケアを行う『ニューノーマル・オーラルケア』の象徴として、日本のオーラルケアのステップチェンジを図っていく。電動歯ブラシを主軸に、ブラッシングカテゴリーの市場を次の5年で現在から130%までに成長させることを目指す」と述べ、電動歯ブラシの普及によって国内の健康・衛生対策を支え、日本をオーラルケア先進国に発展させていく決意を示した。
続いて、日本歯周病学会理事・指導医・専門医で、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病分野主任教授の岩田隆紀氏がオーラルケアと全身の健康との関連性について最新の研究を踏まえ、「正しいブラッシング習慣による健康な口腔環境の維持が疲労などによる免疫力低下を食い止める効果が期待できる。免疫力はコロナ禍において、感染対策の一環として注目されるようになってきた」と説明。また岩田氏は、オーラルケアが全身の健康に対して影響があることを踏まえると、口腔内の環境を正しく整えるために自宅でのセルフケアに加え、歯医者でのプロフェッショナルケアの両者が重要であることを指摘した。
発表会終盤には、水泳の瀬戸大也選手、フリーアナウンサーの宇垣美里、お笑いコンビのチョコレートプラネットによるトークセッションが行われた。