ポーラ・オルビスホールディングスは6月2日、がんサバイバー(経験者)向けのビューティー事業を展開する新会社「株式会社 encyclo(エンサイクロ)」(東京都中央区)を設立したことを発表した。同社を立ち上げたのは、ポーラ・オルビスグループ従業員の水田悠子氏と齋藤明子氏の2人。がん闘病経験・がん患者支援経験のある両氏が自身の思いをもとに、社内ベンチャー制度へ立案、事業化が決定し、5月7日に設立された。水田氏が代表取締役社長、齋藤氏が取締役を務める。
encycloでは、創業者 2 人の経験をもとに、これまで見落とされがちだった、病気と向き合う人の「美しくありたい」という思いに着目。メディカルシーン(医療)と、ビューティーニーズ(美容)の橋渡しをする商材を開発・販売していく。まず第一弾として、がん治療後の後遺症「リンパ浮腫」に悩む人のニーズに応えるアイテム(着圧レッグウェアやインナーウェア等)を展開する予定だ。
創業者2人のコメントの次の通り。
「29 歳でがんにかかり、命は助かったものの、後遺症に悩みました。常に分厚いストッキングを履くこと、脚に負担がかからないように洋服や靴選びで制限がかかることがとてもショックでした。ファッションや美容を通じて『ありたい自分でいられること』は、人生のどんなシーンでも必要不可欠だと信じています。この事業を通じて、誰もが美しくありたい気持ちを我慢しなくていい社会を創っていきたいです」(水田悠子氏)
「二人に一人ががんにかかる時代と言われています。医療の進歩により、がん後のその人らしい人生とは何か、をもっと真剣に考えるべき時代になってきたと感じます。ポーラ在籍時、がんに関する企業活動を立ち上げる中で、その思いがより強くなりました。その人らしくいるためのビューティーを創出していきたいと考えています」(齋藤明子氏)