アルビオンは、リコーと亜臨界DME(ジメチルエーテル)抽出技術を用いた化粧品原料抽出技術に関する共同研究を行ってきたが、今回、同技術の有用性の検証と実用化への見通しが立ったため、共同研究成果としての知的財産権(株式会社リコー保有分)を同社より取得した上で共同研究を発展的に解消し、自社単独での新抽出技術の開発に取り組むこととなったと発表した。

DMEは生体毒性が極めて低いガスであり、加圧することで液化し亜臨界状態となる。この亜臨界状態となったDMEは水および水溶性成分を可溶、脂溶性成分を易溶とするため、この亜臨界DMEを用いて植物の成分抽出を行うと、室温で高効率な抽出が可能だ。さらに、常温常圧下に戻すことで容易に揮発するDMEの性質により、同抽出物は非加熱での溶媒除去と濃縮が可能となる。

リコーとアルビオンは、これらの亜臨界DMEの特性が、従来の溶媒抽出と比較して植物から化粧品向け高効果成分を抽出するために非常に有効であり、植物由来成分抽出の全く新しい技術として実用化の可能性が極めて高いと考えたため、2018年4月より共同研究契約を締結。亜臨界DMEを用いた抽出技術の実用化検討ならびに同技術により抽出した成分と従来技術での抽出成分との比較・検証を行ってきた。

その結果、亜臨界DMEを用いた安定的な抽出技術の確立が成し得たことと、研究対象植物の抽出成分比較において、亜臨界DMEを用いた抽出成分に従来品に対する明らかな優位性が見られたため、アルビオンは同技術を自社の独自技術とすべく、リコーにより取得されていた同技術の知的財産権を同社より有償にて取得。同社との共同研究を発展的に解消し、同技術を自社の独占技術とすべく自社単独で新抽出技術の実用化に向けた研究開発を推進することになった。リコーとアルビオンは今後もさらなる新しい研究テーマを通じた連携や共同研究を検討していく予定だ。