アリババグループは1月16日、東京五輪開催で見込まれる訪日観光客増加に向けた取り組みに関する発表会を開催した。アリババは取り組みの第1弾として、同社のクラウド技術を活用して日本人アーティストによる作品を成田空港で掲示するキャンペーンを展開する。
「アリババクラウドギャラリー」と題して行われるキャンペーンでは、成田空港の第1ターミナルと第2ターミナルの到着エリアにある9つの通路の壁面に作品をプロジェクターで投映する。展示作品は今年3月1日から2021年3月末まで公開される予定。
アリババのクリス・タンCMO(最高マーケティング責任者)は、「アーティストと連携し、海外から訪れる観客に日本の文化を体験する機会を提供したい」と意欲を示した。大会組織委員会の古宮正章副事務総長は、「アリババの技術力により海外の方々が日本の良さを体験してもらうと同時に、東京五輪をいい大会にしてもらいたい」と期待を寄せる。
また作品を制作したメディアアーティストの木之内憲子氏はアリババクラウドギャラリーについて、「先人が培ったあらゆる文化的、芸術的財産がデジタルアートとして、新しい文化スタイルとなる」と期待を込める。日本画家の奥村彰一氏も、「画廊や美術館などアートと人をつなぐ場を拡張させるもので、より多くの人に見てもらえる試みだ」と評価した。
アリババは17年1月、国際オリンピック委員会(IOC)と28年までの長期パートナーシップ契約を締結し、ワールドワイドパートナーとなった。東京五輪では、サウンド、クラウド技術、ソーシャルメディアを融合させ、世界中のファンがお気に入りのチームやアスリートを応援できるプロジェクト「メイク・ザ・ビート」へのサポートも発表している。アリババは16年に日本のクラウド市場に参入し、多くの顧客にサービスを提供してきた。メイク・ザ・ビートのサポートを担当するアリババクラウド・ジャパンサービスのユニーク・ソン氏は、「テクノロジーを活用して伝統ある大会をよりインタラクティブにし、グローバルな祭典にしたい」と力を込めた。