2019年、化粧品市場の潮目が変わった。特に影響を与えたのは、中国が18年8月31日の第13期全国人民代表大会常務委員会第5回会議で可決し、1月1日に施行した「EC法(電子商取引法)」である。電子商取引経営者の登録義務、知的財産権に関する保護義務、法的責任などが明記され、日本国内での爆買いを支えていた購買代行業の動きがピタリと止まった。化粧品メーカー関係者は、次のように話す

「ドラッグストアにトラックを横付けし、500万円分、1000万円分の化粧品を買うシーンは、もう昔の話。中国政府の監視下で、グレーなビジネスは続けられない」

市場全体に重苦しい雰囲気が立ち込めるなか、韓国での日本製品不買運動、香港デモと米中貿易摩擦の長期化は、日本を含むアジア市場で稼いできた化粧品業界にインパクトを与えそうだ。化粧品業界・市場は、どうなるのか。有力アナリストの見解は次の通りである。