■越境ECから商品を発掘しスター商品に育成する
海外事業を横断型の組織へ。ライオンは、今年3月ヘルス&ホームケア事業本部内に「越境事業推進室」を新設。社長直轄の組織とした。これまで部署ごとの繋がりがなかった越境EC、一般貿易、中国現地法人からなる越境事業をヘルス&ホームケア事業本部の満武純副本部長を総責任者として統括することがその狙い。これにより、多様化した販売ルートを一元管理し、スピーディな対応を可能にする体制を整えた。
ライオンは海外事業で中国を最も重要な国と位置付けている。その理由は市場規模が大きく、ライオン主力分野であるオーラルケアについての可能性が非常に大きいからだ。中華口腔医学会編の「第四次全国口腔健康流行病学調査報告」によると、2015年の調査時、口腔病罹患率が91%であるのに対し、歯周病を「よく理解している」割合はわずかに36%。実に55%が歯周病に理解がなかったわけだ。これは、この55%に埋もれた潜在的需要を獲得するチャンスがあることを示している。さらに、歯ブラシ使用率は9割以上にのぼるが、デンタルフロスの使用率は一桁台。歯間清掃具やマウスウォッシュなどサブカテゴリーの商品にもまだまだ訴求の余地があることがわかる。こうした市場環境をふまえ、ライオンは新たな統括体制のもと、中国市場での取り組みを本格化する。
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