資生堂は、福岡県久留米市に新たな生産拠点「資生堂九州福岡工場(仮称)」(以下、九州福岡工場)を建設することを明らかにした。主に国内外向けのスキンケア製品の製造工場として、2021 年度中の稼働を目指す。投資額は約400億~500 億円の見通しだ。

九州福岡工場(仮称)イメージ図

中長期戦略「VISION2020」(2014-2020 年)で掲げる「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指すなかで、生産戦略においては、現在全社的なマーケティング戦略と連動しながら、グローバルな視点でサプライチェーン戦略の構築を推進。原価だけでなく、リードタイムや在庫、原材料調達など様々な要素を加味し、グローバルで展開している各工場にて、柔軟に対応できる体制づくりを進めている。

そうしたなか、国内外の化粧品需要拡大に対応し、今後のさらなる成長性を確保するため、中長期的に安定した供給体制の確立が不可欠と判断。現在建設中の那須工場、大阪新工場(仮称)に続き、新たな工場の建設を決定した。現在建設中の工場、九州福岡工場建設、既存工場の増強を合わせ、約1700 億円超の投資となる見込みだ。

今回新設する九州福岡工場は、需要が拡大するスキンケア商品の生産を担う拠点として、国際規格 ISO22716 に準拠。高品質で安心・安全な商品を創出するとともに、次世代型工場として、IoTなどの最先端の技術や最新の設備を活用し、イノベーションを生み出していく考えだ。また、資生堂がこれまで培ったものづくりの技術、匠の技を継承し、高い生産性と人に優しい工場を実現する。BCP対応を可能としながら、周囲の山々や河川と調和し、環境に配慮した工場を目指す。