ディーエイチシーは、国立大学法人東京海洋大学の松田寛子特任助教との共同研究の結果、オリーブオイルに野菜や穀物などに含まれるレジスタントスターチを効率的に増加させる効果があることを明らかにした。

レジスタントスターチはカボチャやポテトなどの野菜や穀物に含まれている難消化性のデンプンであり、通常のデンプンに比べて身体へ吸収されにくい性質を持っている。レジスタントスターチの摂取は腸内環境を改善し排便を促進させる効果が知られているほか、血糖値の上昇抑制や食後の脂質吸収を抑制するなど、さまざまな機能性を持つ成分として注目されている。また、近年では、調理の仕方によって穀物や野菜のレジスタントスターチの量が異なることが明らかとなり、調理の温度や調味料の添加など調理方法を工夫することによってレジスタントスターチの効率的な増加が期待できると考えられている。

今回の研究では、カボチャに関してサラダ調理とスイーツ調理の想定試験を実施。その結果、どちらの場合においてもオリーブオイルがレジスタントスターチを効率的に増加させることが示された。

調理化学という新しい分野でオリーブオイルの研究で、健康志向にも役立つオリーブオイルの新たな可能性を得た同社は、今後、さらにオリーブオイルの調理油としての有益性について研究を進めていく方針だ。なお、同研究は第7回国際フードファクター会議(ICoFF2019、神戸、2019 年12 月1~5 日)で発表する。