フマキラーは、広島県廿日市市と「廿日市市における特定外来生物の対策に関する協定」を締結することに合意。6月18日に廿日市市役所において、廿日市市眞野勝弘市長とフマキラー大下一明社長出席のもと調印式が行われた。フマキラーが自治体とこのような協定を結ぶのは、全国初となる。
本協定では、廿日市市とフマキラーが相互に連携・協力し、廿日市市内における特定外来生物の早期防除および特定外来生物による被害の低減等の対策を行うことにより、市民の良好な生活環境の保全と安全・安心なまちづくりの推進に寄与することを目的としている。
本協定が合意に至った背景にあるのは、近年、日本には本来存在しなかった特定外来生物の侵入や感染症の発生といった脅威が身近な問題となってきていること。そのような状況の中、市では「いつまでも住み続けたいまち」を目指して、誰もが安心して暮らせる環境を作っていくためには、専門知識をもつ民間企業との協働が必要との判断があった。
一方、フマキラーは「ひとの命、ひとの暮らし、ひとを育む環境を守る。」という経営理念のもと、商品開発や社会活動に取り組んでいる。2011年には、環境省、独立行政法人国立環境研究所と連携し、東京都大田区内に定着した特定外来生物「アルゼンチンアリ」の地域根絶に向けた防除事業に参画し、「アルゼンチンアリ」防除手法の開発に協力。「アルゼンチンアリ防除マニュアル」の策定に貢献している。また、17年の特定外来生物「ヒアリ」「アカカミアリ」の侵入時には、神戸市の要請を受けてアリ対策剤を無償提供し、緊急防除作業にも参加している。
今回の協定においてフマキラーは、廿日市市とは1954年に工場の移転を開始して以来の付き合いがあり、「いつまでも住み続けたいまち」を標榜している市の活動に共感するとともに、主要生産拠点として、フマキラーを育ててくれた地元に恩返しができる良い機会と捉え、協定の締結に同意。長年培ってきた害虫に対する研究成果や知識を活かしながら、今後も害虫対策や感染症予防対策について積極的な啓発活動に取り組み、安心な地域、社会づくりに貢献していく構えだ。★