コーセーは、iPS細胞から皮膚線維芽細胞への分化誘導法を確立するとともに、誘導した細胞のテロメア長が元の細胞よりも伸長することを明らかにした。さらに、細胞内のエネルギー産生を司る「ミトコンドリア」の質が、iPS細胞から誘導した皮膚線維芽細胞ではより高まることを初めて確認した。

同社はこれまで、元京都大学iPS細胞研究所特任教授で現コーセー研究顧問の加治和彦氏とともに、同一人物から長期(36~67歳)にわたり採取した皮膚線維芽細胞と、それらから作製したiPS細胞を解析・評価し、皮膚老化の研究に取り組んでおり、過去にはiPS細胞から表皮細胞(ケラチノサイト)への分化誘導に成功し報告している。今回の研究の結果、老化メカニズム解明のための新たなアプローチとして、iPS細胞から皮膚線維芽細胞へ分化誘導することに成功した。同社は本研究成果を、6月29~30日に開催される「第43回日本香粧品学会」にて発表する。★