世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本における研究開発部門であるロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンは、リキッドケアの新研究として自然由来の革新的なマイクロ・エマルジョン「デリバリー・テクノロジー」を開発した。

同技術は、自然由来成分を厳選して配合するとともに、角層へのなじみやすさを実現するよう設計されたデリバリーシステムを組み合わせたもの。大気汚染などの外的環境要因、乾燥によって生じる「くすみ」の印象にアプローチするとともに、肌のキメや毛穴の見え方にも着目したブライトニングケア製品に応用されている。

同技術の中核となるのは、独自のナノテクノロジーに基づくマイクロエマルションシステムだ。形成される油滴は直径約20ナノメートルという超微細サイズで、一般的なエマルションのおよそ1000分の1の大きさだ。粒子径が十分に小さいため、処方は肌の上に均一に広がり、角層になじみやすいよう設計されている。エマルションサイズが極めて小さいことから、処方は透明感のある外観を呈し、軽くべたつきのない使用感を実現する。

日本製の界面活性剤を2種類選定した。この特定の組み合わせによって得られる技術については、特許取得済みである。2種類の界面活性剤は、第一に処方が皮膚表面と非常に高い親和性(相性)を示すこと、第二に角層の細胞間脂質(ICL:Intercellular Lipids)をゆるめることで有用成分の浸透(角層まで)を促すことを目的として選定した。

また同技術は、グリーンサイエンスの観点からも高い基準を満たすことを目指している。自然由来指数95%以上(ISO16128準拠)とし、多数の候補原料の中から、ISO16128で自然由来と位置付けられる原料を厳選して使用している。さらに、製造工程には「コールドプロセス(低温製法)」を採用した。同手法を採用したのには二つの目的がある。一つ目は、省エネルギー化と廃熱の最小化により環境負荷を低減すること。二つ目は、植物由来成分への熱の影響を抑えることで、その特性を生かした製品設計を可能にすることだ。

この自然由来の画期的なマイクロエマルションは、大気汚染などの外的環境要因、乾燥によって生じる「くすみ」の印象に着目して開発された。タンポポ根エキス、ナイアシンアミド、サリチル酸などの主要成分を角層へ届けやすくすることを目指して設計されている。ナイアシンアミドは健やかな肌状態を保つために配合され、サリチル酸は角質をなめらかに整えることで、透明感のある肌印象をサポートする。

同技術の処方特性は、ビタミンCGやビタミンB3などを用いた同社評価において、従来の浸透設計と比較して角層への移行挙動に差が見られ、同技術の有用性が示唆された。

この技術は、TAKAMIより次世代美容液に応用されている。