ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業では、顔画像を用いた印象評価試験により、顔のシワができると認識されていない部位にできるシワである「散在シワ」が肌やその人の印象に影響を及ぼすことを明らかにした。

ポーラ化成工業では、2024年から散在シワに関する調査を開始した。これまでに、シワができる部位にもかかわらず、シワができると認識されていない部位が顔に多く存在することを確認してきた。シワを気にしている男女5349名による試験では、シワができる15の顔部位のうち、ほうれい線、額、目尻は半数以上の人にシワができる部位として認識されていた。眉間も3割以上の人に認識されていた。

ところが、残り11部位については、シワができると認識している人が3割未満と、シワができる部位であることが知られていない結果となった。このような部位にできるシワを「散在シワ」と名付け、今回、散在シワが肌の印象や人物印象に与える影響を調べた。

散在シワのある画像とない画像(図1)を並べて日本人女性500名に提示し、“ハリを感じる”などの肌の印象について、どちらの画像がより当てはまるか選んでもらった。

調査期間は2025年3月19日~24日、解析期間は2025年4月1日~7月25日。評価用画像は、数人の顔画像から架空の人物画像を作成し、散在シワを付与した“散在シワあり”と、“散在シワなし”の画像を作成した(図4)。

散在シワは実在の人物から抽出したものを使用した。散在シワ以外の影響を除外するため、シミや毛穴などのその他の肌の要素を除去した。評価者は全国の20~60代の日本人女性500名(各年代100名)。評価方法はWebアンケートにて、パソコン画面上に“散在シワあり”と“散在シワなし”の画像をペアで左右に提示し、評価項目について、「左の画像の方がとても感じる」~「右の画像の方がとても感じる」の中から最も当てはまるものを一つ選んでもらった(図5)。

評価項目は「肌印象」と「人物印象」の二つ。肌印象には、肌の弾力性、光学的特徴、肌表面状態、肌の潤いに関する15印象を設定した(表1)。人物印象には、その人に対する印象を形成する判断基準(※)の15印象を設定した(表2)。

※ 対人認知構造を構成するとされる3要素(活動性、個人的親しみやすさ、社会的望ましさ)から抜粋、改変して使用(参考文献:林文俊(1978)対人認知構造の基本次元についての一考察:名古屋大学教育学部紀要(教育心理学科),vol.25, pp.233-247)

調査の結果、評価したすべての印象において、散在シワのない画像を選んだ人の方が多く、肌印象が良く感じられる結果となった(図2)。顔全体に細かく分布する散在シワの有無は、シワの形成との関連が深い「弾力性」や「うるおい」系の項目だけに留まらず、さまざまな肌印象にも影響を及ぼすことが示唆された。さらに、“積極的な”などの人物印象についても、評価したすべての印象においても同様の結果となった。

散在シワの有無による、人物印象の違いを示す(図6)。活動性、個人的親しみやすさ、社会的望ましさに関するどの印象においても、散在シワのない画像を選んだ人の方が多い結果となった。この結果から、散在シワを改善すると、これらの印象に影響を与えることが示唆された。

目尻やほうれい線などの目立ちやすいシワは、人の印象に影響を与えることが既に明らかとなっている。同研究ではさらに、本人が自覚しづらい「散在シワ」もさまざまな印象に影響を及ぼす可能性が明らかとなったことから、肌のお手入れなどによる散在シワの改善を通して、肌やその人の印象が変わると考えられる。