エステーの2026年3月期第2四半期業績は、売上高は前年同期比0.0%増の241億5500万円、営業利益49.0%増の18億4000万円、経常利益30.6%増の19億9200万円、親会社株主に帰属する中間純利益34.4%減の13億3900万円となった。売り上げは、防虫剤の収納スタイル多様化に伴う市場の低迷で衣類ケアが減少したことや6~7月が空梅雨だったことで湿気ケアが減少したことに加え、カイロの今シーズンの立ち上げ導入が遅れたこと等でサーモケアが減少したこともあり、横ばいにとどまった。

利益面では、一部局へのCM出稿を差し控えたことによる広告宣伝費の減少に加え、前期取り組みを進めていた資本政策や経営基盤強化のためのコンサルティング関連費用がなくなったことにより、販管費が減少したことにより、営業利益、経常利益ともに増益。親会社株主に帰属する中間純利益は、前期発生した負ののれん発生益がなくなったことで減益だった。

カテゴリー別売上高を見ると、主力のエアケア(消臭芳香剤)は、既存市場の拡充と新規ユーザーの創出に向けた取り組みを推進。既存品では、「消臭力 クリアビーズ イオン消臭プラス」や「消臭力 Premium Aroma トイレ用」がそれぞれ伸長したことに加え、ニオイ空間を瞬時にフレッシュな空間へ変えるミストタイプ消臭剤の新製品「消臭力 トイレのフレッシュミスト RESETTO」が貢献したことで、2.5%増の113億6100万円となった。

ペットケア(猫用トイレ用品)は、ブランドの認知度向上のため消費者との接点を増やす取り組みを進めたこともあり、11.3%増の18億6500万円となった。

衣類ケア(防虫剤)は、“清潔感”と“シンプル”がテーマの「ムシューダ NOTE」を拡売したものの、収納スタイル多様化に伴う市場の低迷から「ムシューダ 引き出し・衣装ケース用」「ムシューダ クローゼット用」といった既存の主力品、高付加価値品である「ムシューダ Premium Aroma」シリーズが減少し、5.7%減の36億8200万円となった。

ホームケア(フードケア・クリーナー他)は、米価格高騰から備蓄に対する関心が高まり、お米を虫から守る「米唐番」の需要が拡大し、5.0%増の25億2500万円となった。

湿気ケア(除湿剤)は、6~7月が空梅雨だったこともあり、使い捨てタンクタイプ除湿剤が減少したことに加え、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しにより除湿剤の需要が抑えられたことで、8.3%減の16億6300万円。

サーモケア(カイロ)は、シーズン後の返品を抑制したものの、今シーズンの立ち上げ導入が遅れたこと等で、19.3%減の6億6800万円となった。

ハンドケア(手袋)は、機能性が評価されている業務用手袋の拡売を進めているが、薄手・極薄手素材の手袋が減少したことで、1.7%減の23億8800万円となった。

26年3月期通期業績想は、売上高9.5%増の527億円、営業利益50.7%増の25億円、経常利益34.3%増の28億円、親会社株主に帰属する当期純利益43.6%減の16億円と前回予想を据え置いた。