Bon-Hair代表

(ぼん)1998年からヘアスタイリストとして活動。現在は京都を拠点に、訪日観光客と在日外国人をメインターゲットとしたインバウンド特化型サロンを運営。英国、スペイン、シンガポールなどで10年以上の海外経験を積み、異文化理解と高い技術力を融合した「世界基準の美容体験」を提供する。マーケティングからウェブ制作までを一人で手掛け、SNS・AI分析を駆使したデータドリブンな経営を実践。日本人美容師の新たな可能性を発信し続けている。

インバウンド需要の回復とともに、外国人を主要顧客とするサロン経営が注目を集めている。京都で在住外国人や観光客を中心に支持を得ているのが、海外で10年以上の経験を積んだ梵氏が手掛けるサロンだ。異文化の中で培った感性と技術を武器に、2025年春、自身のサロンを開業。SNSとAIを駆使して世界中から予約が入るグローバル特化型サロンを一人で運営している。その独自の経営視点について、話を聞いた。

売り上げは月100万円、9割以上が海外顧客

私は、英国、スペイン、シンガポールなど、複数の国で美容師として働いてきました。英国やスペインでは語学学校に通いながら、昼は現地のサロンに立つ生活を続け、一番長く美容師として働いたのはシンガポール。そうしたさまざまな海外のサロンの経験で学んだのは、「お客さまに提案する力」の重要性でした。現地では美容師がプロフェッショナルとしてはっきり意見を伝え、似合う・似合わないを率直に示すことが信頼につながります。日本のように控えめな対応では、かえって不安を与えてしまうこともあります。一方で、日本の美容文化が持つ丁寧な接客や繊細なシャンプー技術は、世界でも通用する大きな強みです。私は両方の良さを融合させ、「押しつけではなく、心地よく導く接客」を理想としています。

帰国したのは、ちょうど観光客が激減していた時期でした。コロナ禍の最中に日本に戻り、最初は以前一緒に働いていた友人の誘いを受け、面貸しのような形態で再び現場に立ちました。そうして京都の市場を改めて見つめ直すうちに、在日外国人という新しい顧客層に可能性を感じ、2025年4月に現在のサロンをオープン。現在は売り上げの約95%が海外のお客さまです。平時は在住の非日本人が約半数、訪日観光客が約半数ですが、ハイシーズンにはインバウンドの割合が高まります。主な国籍は米国、オーストラリア、欧州、香港、シンガポールなど。国や地域によってスクールホリデーの時期が異なるため、来店ピークもずれています。

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