GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は、オンライン総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」に、世界規模の不正検知プラットフォーム「Forter(フォーター)」を実装した。10月14日に開催されたメディア勉強会では、両社の担当者が登壇し、クレジットカード決済の承認率を高め、売上最大化につなげる新たな仕組みを紹介した。
背景には、キャッシュレス化の拡大に伴う不正利用の増加がある。2024年のクレジットカード不正利用被害額は555億円と、5年前の約2倍に達した。AIによる自動化や3Dセキュア(3DS)義務化によって、不正抑止と同時に「カゴ落ち」も課題となる中、事業者は不正防止と承認率向上の両立を迫られている。
今回実装されたForterは、世界30万社以上、年間50兆円規模の取引データをもとに機械学習を行う不正検知サービスだ。約6000のパラメータと18億超のアイデンティティ情報を活用し、リアルタイムでOK・NGを自動判定。取引ごとにリスク度を瞬時に評価し、低リスク取引は3DS認証をスキップ、高リスク取引には追加認証を適用することで、セキュリティと顧客体験を両立する。
勉強会で登壇したForter日本担当カントリーマネージャーの野田陽介氏は、「加盟店が正常な取引だけを流すことが重要。結果としてカード会社からの信用も高まり、平均10ポイント程度の承認率向上が見られる」と述べた。GMO-PGインダストリーソリューション本部の財津拓郎部長も、「不正対策を単なる守りではなく、事業者の成長を支える攻めの施策に転換したい」と強調した。
導入面でも、JavaScriptタグ設置と最小限のマッピングで実装できる手軽さが特徴だ。チャージバック情報の自動連携により、運用負荷を軽減しながら精度向上を継続できる。実際、国内導入企業では承認率改善やチャージバック率低下など、KPIの改善が確認されている。
GMO-PGは今後、カード会社別や金額別など多角的な承認率分析を進め、事業者へのコンサルティング支援も展開予定。不正検知を、売り上げを拡大する攻めの基盤として日本市場に根付かせる考えだ。★
月刊『国際商業』2025年12月号掲載






















