120年の歴史を生かし価値を直接消費者に届ける
代理店から直販へ。コティジャパンがフレグランスの売り方を大胆に変えた。これまでは輸入販売代理店ブルーベル・ジャパンを通して小売り各社に商品を提供していたが、2025年7月1日から、コティが商品を輸入し、売り場を設け、マーケティングを手掛けるダイレクトビジネス(直販)へと切り替えたのだ。1904年パリ発祥の同社は、バーバリー(BURBERRY)、グッチ(GUCCI)、マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)、ダビドフ(DAVIDOFF)、クロエ(Chloé)など、著名なブランドのフレグランスを展開する世界有数のビューティーカンパニーだ。日本の香りニーズの高まりを好機と捉え、ダイレクトビジネスに転換。新規ブランド導入を見据えるなど攻勢に打って出る構えだ。コティジャパンの山盛省作社長は「ブルーベル・ジャパンと一緒に築いたビジネス基盤をもとに、フレグランス中心に歩んできたコティ120年の歴史と知見を生かし切り、ブランドの価値をより直接的に消費者に届けます」と意気込んでいる。
コティが考えるダイレクトビジネスのメリットは、ブランド体験の進化と接点拡大の両輪を回すことである。ブランド体験の進化は、ブランド別の売り場展開のことだ。たくさんのブランドを取り扱う輸入販売代理店は、小売店にブランド横断型売り場を設置し、商品を並べる。消費者に香水を選ぶ楽しみを与えられる一方で、ブランドの世界観や香りのレパートリーを十分に伝えられないのが、メーカー側の悩みだった。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。
- 1
- 2