コーセーは、アピアランスビューティクリニックとの共同研究により、シミ取りレーザーの治療効果(シミ取りレーザー〈QスイッチNd:YAGレーザー〉治療後の8週目時点における炎症後色素沈着の程度)が、表皮の底にある基底膜の凸凹度合い(起伏の大きさ)で変化する可能性を見いだした。これはレーザー治療の効果を事前に判断する一助となるほか、紫外線対策などの日常的なスキンケアにより、健康な基底膜を維持することがレーザー治療時にも有利に働くことを示唆している。同研究の成果の一部は、2025年8月16〜17日に大阪府にて開催された第43回美容皮膚科学会総会・学術大会で発表した。

シミに対する有効な治療法の一つとして、美容医療で広く用いられているのがシミ取りレーザー治療(QスイッチNd:YAGレーザー)だ。しかし、シミには発生部位・大きさ・濃さ・色合いといった多様なタイプが存在するため治療効果は個人差が大きく、治療の効果を予測することが難しいという課題があった。そこで同研究では、肌を傷つけることなく、レーザー治療の効果と相関のある肌特徴を見いだすことを目指した。コーセーではこれまで、表皮やメラノサイトの状態がシミ形成に関与していることを明らかにしてきたが、今回はシミ部位においてメラニンの過剰蓄積が観察される基底膜の構造に着目して調査を行った。

肌を傷つけることなく肌内部の構造を可視化できる手法として、ラインフィールド共焦点光干渉断層撮影(LC-OCT)を用いて、13名の実験参加者に対してシミ取りレーザー治療(QスイッチNd:YAGレーザー)の前後で基底膜の構造に関する解析を行った。その結果、施術2カ月後のシミの治療効果が低い群は、シミ部位の基底膜の凸凹度合い(起伏)が大きいことを発見した(図1)。

図1:シミ取りレーザーの効果と基底膜の凸凹度合いの関係

基底膜の凸凹度合いは観察された基底膜の長さを同じ区間の水平距離で割ることで算出したものであり、シミ取りレーザーの効果が高い群と低い群では優位な差が確認できた(図2)。

図2:シミ取りレーザーの効果と基底膜の凸凹度合いの解析

これは基底膜の凸凹度合いが大きいタイプのシミほど、レーザー治療で改善しにくい可能性を示しており、肌を外側から観察することで、レーザー治療前にその効果を予測する一助になると考えられる。また、基底膜の構造は紫外線や加齢による影響を受けることが知られているため、日常的なスキンケアにより、健康な基底膜を維持することはレーザー治療の効果を高めることにつながる可能性が示された。

同研究により、シミ取りレーザーの治療効果と基底膜の凸凹度合いの関係を見いだすことができ、これにより肌を傷つけることなくレーザー治療の効果を予測できる可能性が得られた。同社は今後も、皮膚科学と生活者の双方の視点から研究を行い、健康的で美しい肌の実現に向けた挑戦を続けていく。