クリーンビューティー最前線（13）ロンドン化粧品小売り事情②百貨店編

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佐藤久美子（さとう・くみこ）
1996年から化粧品輸入ビジネスに従事。「スイスライン」「ユイルエボーム」といったブランドを日本市場に導入。エコサート認証コスメとの出会いをきっかけにオーガニックコスメのセレクトショップ「オーガニックマーケット」をオープン。1999年よりSLJ代表取締役。

高級ブランドと共存するセルフリッジズの売り場づくり

初夏なのに寒気に見舞われるロンドン。暖を求めて英国・高級百貨店のセルフリッジズに駆け込む。開放感のある明るい店内が温かく迎えてくれ、きらめく別世界に入り込んだかのようだ。あふれんばかりの買い物客。この百貨店は別格なのだろうか。観光客はもちろん多いのだが、仕事を終えたロンドンの住人が、セルフリッジズを日常に取り入れているように見える。イエローのショッパーを持つ人波をくぐり抜け、フレグランスのトレンドを吟味し、コスメフロアにたどり着く。相変わらずにぎわっている。

私がセルフリッジズを定点観測地としているのは、トレンドとコスメフロアの一体感に身を置きたいからだ。訪れるたびに見とれてしまう魅力的な空間で出会うコスメたちにワクワクするのだ。新しい表現、足が止まるポップアップなど、コンサバ感が強い老舗のハロッズやリバティとは、同じブランドでも見え方が違う。私好みのナチュラル・オーガニックコスメ、クリーンビューティーが、ラグジュアリーコスメと同じフロアや動線上に確実にあり、分かりやすいのが理由の一つではあるのだが。

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