表示規制の中で最も事業者が神経質となり手を焼いている法律は「景品表示法」(景表法)であろう。誇大広告などを取り締まる法律だが、①規制範囲が広範ですべての広告が対象②違反となる判断基準が不明瞭③表示根拠の立証責任が事業者側にある――という点で極めて取り締まる側が有利な規制である。一方で特定のカテゴリーには、公正競争規約があり、これは事実上、景表法の「聖域」。業種間で不公平が生じている。裁判を経ない行政処分で多額の課徴金が科される問題もある。特に法律の用語の定義と運用面の不透明さは、早急に是正が必要だ。
法務泣かせの不明瞭な判断基準
牛肉の缶詰が実際は馬肉だった。しかも業界の多数で行われていた――。この事件を契機に1962年に「不当景品類及び不当表示防止法」が誕生した。では、この法律で規制しているのは何か。表示では主に二つ「著しく優良」「著しく有利」と誤認される表示を禁じている。さらに「その他の表示を禁じる告示」がある。これでは一昨年、新たにステマが禁じられた。
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