「中国国民に自信が出てきた」と、宮本雄二元駐中国特命全権大使は、ある会合で述べている。その理由として「一つはディープシーク。生成AIでアメリカに引けを取らず、未来を制する人工知能の分野で世界の二強に並んだこと。二つ目はアニメ『ナタ2』で成功を収めていること」を挙げた。「ナタ2」は1月に中国の春節に合わせて公開され、大ヒット。興行収入21億ドルを超えて、中国興行収入の歴代トップになった。2月に入り、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダで公開。3月に入り、シンガポール、インドネシア、イギリスなどでも公開されて、すべての地域で大ヒット。日本では、「ナタ 魔童の大暴れ」とのタイトルで、4月に一般公開された。アニメでは世界興行収入1位になり、映画全体でも、3月の時点で、歴代5位の興行収入になった。制作には中国国内のアニメ制作会社が138社も関わり、特殊効果がふんだんに使われている。

2025年、中国は幸先のいいスタートを切ったということだ。第1四半期の経済成長率も、目標の5%を越え、5.4%だった。株価も、4月に入り、トランプ大統領の関税政策で、世界中で乱高下したのだが、中国の株は上がり続けた。というのも、アメリカに対抗するために、大手の国有企業が株価を支えるため、買いに参入したからだ。社会主義、中国共産党一党独裁だからできることなのだろう。民間資本も今回はアメリカの見境のない攻撃に憤慨し、政権側を支持した。

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