2023年11月、APEC開催中に日中首脳会談が開かれた。しかし、たいした成果は上がらなかったようだ。「処理水問題」でも、中国に拘束されている日本人の早期解放についても、これといった進展はなかった。仕方がないだろう。首脳会談を申し込んだのが、会談のわずか7日前だった。事前の打ち合わせもできなかった。ただ、今後も「戦略的互恵関係」に基づいて、交渉は続けられるとのことだ。といっても、今のままでは、両国の関係は改善されそうもないように思う。日本がリードする国際会議では、「中国を念頭に」と、中国を名指しはしないが、中国批判の声明を出し、中国側にすれば、日本は中国封じ込め政策の先頭に立っているとの認識になるからだ。

同時期、米中首脳会談が開かれた。こちらは、豪華だった。日中首脳会談はAPEC開催地サンフランシスコのホテルだったが、米中首脳会談は、サンフランシスコから南に25キロメートルのところにあるファイロリという名の別荘。アメリカにすれば、別荘での会談は、最高級の会談場所であり、お互いリラックスして話ができ、幅広く、突っ込んだ話し合いをする場所だった。

米中首脳会談を機に、世界情勢に変化の兆し


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