アリミノは2025年4月7日、オンラインにて2024年度の業績と、25年度活動テーマおよび活動方針を発表した。

冒頭登壇したアリミノの田尾大介社長は、24年度の振り返りと25年度のテーマについて説明。24年度は全体の売り上げが前年比10%増で、全てのカテゴリーで、前年を上回る好調な結果となった。

カテゴリごとに見ると、ヘアケアは、直送ブランドのCOREME(コアミー)が27%増。契約サロン数も約4000軒と増え続け、発売5年で10億を売り上げるブランドと成長した。中でも「リペアティブシリーズ」と「エラプシークシリーズ」が好評。「リペアティブシリーズ」は、白髪染めをしながらも明るいヘアカラーを楽しむ人が増えている昨今、カラーを繰り返すことで、より複雑化している髪のダメージを補修するケアとして支持された。また「エラプシークシリーズ」は白髪に続く髪の悩みである「うねり」による広がりを抑えるケアとして、多くの好評を得ている。

ヘアカラーでは、ASIAN COLOR FES(アジアンカラーフェス)が22%増。昨年追加のブリーチオンカラーに特化した「ピュアシリーズ」と泡で染める塩基性リキッドカラーの「ビビッドプラス」も合わせてデザインカラーの需要とともに売り上げが伸長。引き続き人気の色みはピンクで、昨年はレッドも売り上げを伸ばした。

パーマは引き続き「QUOLINE(クオライン)」が20%増と好調で、18年のリニューアル以来、6年連続で市場をリードし続けている。25年7月には複雑な髪の履歴に対応する三つの追加アイテムも発売する予定だ。スタイリングでは「ダンスデザインチューナー」が4%増、「アリミノメン」が29%増と売り上げをけん引した。

製品以外の活動では、美容師と異業種がコラボレーションしたヘアショー「ウルトラシナジー」を昨年11月に初めて開催。また、同じく24年に初めて開催した韓国での美容研修ツアーも、現地のトップサロンでの研修に加え、日本にはない美容技術を実際に体験できる内容が好評だった。

新たに掲げる25年度のテーマは「EVOLVE(エヴォルヴ)」。世界的に変化が激しく先行きが不透明な時代において、これまでの常識やルールは変わり、新しい価値観が次々と生まれる中、美容業界を取り巻く環境も変化し、集客、生産性といった売り上げに関する課題、採用・育成・働き方といった人に関する課題まで、サロンの経営課題は多岐にわたる。

エヴォルヴというテーマに込めた思いは、こうした困難な状況を好転させていくこと。エヴォルヴには物質が化学反応によって性質が変化したときに熱として生まれるエネルギーという意味もあり、さまざまな個性のぶつかり合う熱が原動力となるさまも表現。

田尾社長は、「私達はエヴォルヴをテーマに、社員1人1人が情熱を持ち、皆さまとともに変化の中で生まれる課題を見極め、解決に向けて実行していきます。その化学反応がサロンと業界のエヴォルヴに繋がると考えています。私達の思いは、美容師の皆さまが、お客さまから信頼され、お客さまにいつまでもサロンに通い続けてもらい、生涯美容師として充実した人生を歩んでいただくことです。皆さまとともに、時代の変化を察知し、サロンの課題に柔軟に対応しながら、美容業界をこれまで以上に発展させるために力を合わせていきたいと考えております。今年度もどうぞよろしくお願い申し上げます」と思いを語った。

それに伴って掲げる25年度の活動方針は「Be more professional」で、「専門性」「対話」「感性」の三つの軸で活動を推進する。

続いて登壇した田尾圭介専務は、市場について「サロン市場は全体として大きな成長は見られないものの、メニューの高単価化、そして、髪質改善など、サロンでしか提供できない高単価・高付加価値メニューの裾野が広がっている」と分析。そのうえで、サロン業界の市場拡大のために何を取り組んでいくべきかを、この三つの軸に沿って説明した。

メニューの専門性を追求すること、SNSを活用した情報発信、サロン内でのお客とのコミュニケーション、対話の質を高めることなどを挙げるとともに、田尾専務は「トレンドを取り入れたり、お客の個性を引き立たせるデザイン力、創造性は、多くの業界でその存在感を増している、AIには真似できない美容師としての重要な価値」としたうえで「これらのことを通して、サロンがサービスの質を高め、それを適正な価格に反映していくためにも、『専門性』『対話』『感性』においてプロフェッショナルの領域を強化することが不可欠です」と語った。