タカラベルモントは、大阪樟蔭女子大学 学芸学部 化粧ファッション学科 化粧心理学研究室 松下戦具教授と「ヘアカラーがもたらす感性価値の探索」について共同研究を行った。
派手髪(ブリーチが必要なヘアカラー)は、一般ヘアカラー(ブリーチを行わないヘアカラー)が持つ落ち着いた幸福感を与える効果やコミュニケーションを変える効果を有する。加えて、人を前向きにする効果や、周囲へのポジティブな影響を与える効果が一般ヘアカラーよりも高く、さらに多様性を意識して他者に寛容になれるような効果も有することを明らかにした。
なお、今回の研究発表は、「派手髪は人を元気にする:ヘアカラーがもたらす感性価値の探索」と題し、2024年11月2~3日、アイーナいわて県民情報交流センターで開催された第29回日本顔学会大会(フォーラム顔学2024)で発表した。
実験の結果、派手髪において効果が最も高くなる項目が18項目得られた。下の図はその抜粋。グラフ左から、派手髪実施者/一般ヘアカラー実施者/ヘアカラー未実施者、である。
また、派手髪特有の効果についても結果が得られた。
2024年の理美容化粧品全体の市場規模は1585億円、そのうちヘアカラー市場は476億円と理美容化粧品市場全体の約3割を占めている。最近では、髪の色を似合う色に染めることは口紅などのメイクアップと同様で、自分らしさを表現するための有効な方法として、施術を行う生活者は増加傾向にある。
一方で、髪の色自体が外見的印象に及ぼす知見はあるものの、ヘアカラーという体験が本人やその周囲の心理状態や社会行動にどのような影響を与えているのかという生活者視点での研究はほとんどされていなかった。
そこでタカラベルモントでは、これまでの印象学研究から、ヘアカラーはファッション性だけでなく、自己や周囲に対する感性価値があるのではという仮説のもと、今回の調査に至った。
試験内容は、過去1年間で派手髪を行った人と、一般ヘアカラーを行った人、ヘアカラーを行わなかった人で、心理的・社会的に差があるかを比較。試験方法は、国内在住の20~40代女性の中から、以下条件に合う900名をランダムに選出した。
条件:派手髪実施者300名/一般ヘアカラー実施者300名/ヘアカラー未実施者300名
調査では、実際の髪色・ヘアカラーデザインの確認(派手髪・一般ヘアカラー実施者)をし、最近の感情や行動変化を表す質問38項目5段階で評価した。
分析方法は、調査対象者に対し、分散分析・多重比較を行い3群間で心理的・社会的効果に差があるかを分析した。