花王のスキンケアブランド「ビオレ」(花王ヘルス&ビューティケア事業部門スキンケア事業部)と東京都町田市は6月18日、「健康づくりに向けた包括的連携に関する協定」を締結した。「ビオレ」はすでに2023年に町田市を本拠地とするプロサッカークラブ「FC町田ゼルビア」とスポンサー契約を締結し、サッカー観戦者の暑熱対策に取り組んでいる。今回の町田市との協定締結により、今後は、ビオレ、町田市、FC町田ゼルビアの3者で協働し、町田市民に向けた暑熱対策の啓発に取り組む。

6月21日に町田市役所で3者による記者会見を開催。石阪丈一町田市長は「ビオレ、町田市、FC町田ゼルビアの3者で暑熱対策に取り組むことになった。ビオレのブランド力や発信力を有効活用し、対策を実践していきたい。また、FC町田ゼルビアの情報発信にも合わせて取り組みたい」とあいさつした。

花王ヘルス&ビューティケア事業部門スキンケア事業部の小林達郎ブランドマネージャーは「年々暑さが厳しくなり、スポーツ観戦やレジャーも快適に過ごせなくなっている。ビオレはスキンケアブランドとして、暑熱ストレスから生活者を解放し、快適でアクティブな暮らしを応援したい思いで活動している。また、ビオレは肌を『人と人』『人と社会』がつながるためのヒューマン・インターフェイスであると捉え、肌を通して社会とのつながりを広げていきたい」と語った。FC町田ゼルビアの太田宏介クラブアンバサダーは「花王さんや町田市の力を借りて、暑熱対策に関われることはうれしい。アンバサダーとして、子どもから高齢者まで、市の皆さんに暑熱対策の大切さを伝えたい」と話していた。

左から石阪市長、小林ブランドマネージャー、太田クラブアンバサダー

具体的な取り組みは三つである。一つ目はFC町田ゼルビア主催試合で「暑さに勝つぞ! みんなで勝つぞ!〝Biore マッチデー〟」を開催。スタジアム内のイベントスペースにブースを設置し、来場者に肌温度からマイナス3度が1時間続く冷却シート「ビオレ 冷タオル」などのサンプリングを実施。ハーフタイムには、メインビジョンで暑熱対策を啓発する動画の配信やチラシの配布を行う。

二つ目はFC町田ゼルビアが開講したオンライン学習教材「ゼル塾」を活用し、暑熱対策の教育コンテンツを作成。町田市の子どもたちに暑熱対策の正しい知識を啓発する。三つ目はFC町田ゼルビア主催のイベント「ゼルキャン」(ゼルビアキャンプの略)に参画し、「親子ふれあいサッカー」に参加する親子を対象に、暑熱対策に関する情報発信と「ビオレ 冷タオル」のサンプリングを実施する。

会見後の取材で、小林ブランドマネージャーは「ビオレ 冷タオル」について、「23年は前年比2倍の売り上げで非常に好調に推移した。スポーツドリンク、タブレットとともに、夏場の野外音楽フェスティバルやスポーツ観戦にはなくてはならない商品の一つとして、SNSで話題となり、急激に売り上げが伸びた」と説明。ビオレ全体でも「ビオレ 冷タオル」やお風呂で使う汗ケアローション「ビオレZero」などの〝冷やシリーズ〟が前年を上回り好調に推移しているという。

月刊『国際商業』2024年08月号掲載