アイスタイルは2024年6月6日、「@cosmeベストコスメアワード2024 上半期新作ベストコスメ」を発表した。総合大賞は、アテニアの「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」が獲得した。
「@cosme ベストコスメアワード」とは、@cosme メンバーのクチコミ投稿をベースに、いま生活者が支持している商品を表彰するアワード。なかでも「上半期新作ベストコスメ」は、半年間(23年11月1日~24年4月30日)に発売された新商品が対象で、「@cosme ベストコスメアワード」の上半期における新人賞になっている。
アテニアの「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」は、4年ぶりにリニューアルし、⾓層をほぐし、やわらかく整えることで、次に使うスキンケアの浸透を高め、透明感までもたらす美容クレンジングに進化。リニューアルのタイミングで値上げしているが、中価格帯としては「お得」であり、プチプラとしては「リッチ」な1980円(税込)という“絶妙な価格設定”が生活者の気持ちを掴み、値上げに対して肯定的なクチコミが多い。
商品によっては、リニューアル後のクチコミで「改悪」という声もあがるなか、同商品はリニューアル後もリピート比率が36%と非常に高く、愛用者の心を離さなかったと言える。総合大賞に加えて、ベストクレンジング 第1位、価格別賞 ロープライス部⾨ クレンジング 第1位、@cosme SHOPPING ベストヒット賞総合第1位、@cosme STORE ベストヒット賞 総合第2位と全5部⾨を受賞。@cosme TOKYOの売り上げ数では、クレンジング部⾨第1位である。
また、次の図表は総合大賞トップ10である。
アイスタイルは2024年6月6日に発表会を開催。以下はアイスタイル遠藤宗社長とアテニア保坂嘉久社長の挨拶要旨である。
「中価格帯コスメの逆襲」が始まった(アイスタイル遠藤社長)
まずアイスタイルグループの状況から申しますと、ちょうどいま、スペシャルウィークというECと店舗イベントをやっており、非常に好調に推移しています。生活者の皆さんのパワーはすごい。@COSME TOKYOもそうですが、23年9月にオープンした@cosme OSAKAも連日非常に多くのお客さまに来ていただいます。@COSME TOKYOは海外のお客さまの比率が数カ月前30%だったんですが、それがまたさらに上がっています。海外のお客さまにも非常に楽しんでいただいています。
昨今は低価格帯と高価格帯の二極化が進んでいると言われています。もちろん円安や物価高の影響で、二極化が起きていると思うのですが、特にメイクカテゴリーにおいては顕著に表れていると思っています。一方、スキンケアカテゴリーにおいては日本ブランドが中価格帯と言われる部分で非常に健闘しています。今回のベストコスメの中でも、そういう商品がたくさん受賞しているという印象を持っています。
生活者は、円安や物価高という世の中の流れの中で、より価格分の価値をシビアに判断していると思います。つまり、価格に対しての商品の価値が見合っているのか、価格よりもっと高いパフォーマンスを出している商品なのかをすごく見ています。それは今までも変わらないのですが、その傾向が強くなっています。
その中でメイクカテゴリーは、ラグジュアリーブランドが手に取りやすい商品をつくったり、逆にプチプラに優秀な商品があって、韓国からどんどん入ってくる。とても熾烈な争いが起きています。スキンケアは逆に国産ブランドが商品価値を高めることに取り組んでおり、今回の受賞にもそれが表れています。
今回の上半期ベストコスメは約3800の商品から選ばれました。中価格帯コスメがどんどんまた世の中に出てくるぞ、と。僕らは、それを「中価格帯コスメの逆襲」って呼んでいるのですが、そんなことが感じられるようなラインアップになっています。ぜひ楽しんでください。
リニューアルを機に販売数が1.5倍に(アテニア保坂社長)
本日は@cosmeベストコスメアワード2024上半期新作ベストコスメ総合大賞をいただきまして、誠にありがとうございます。受賞させていただきました「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」は本当に良い商品です。国内外でいくつか賞をいただいていますが、今回の総合大賞はリニューアルをしたときからの目標でしたので、本当に嬉しく思っています。
アテニアはファンケルグループで、DtoCを中心に展開しています。高品質な商品をお求めやすい価格で提供して、事業展開している会社です。広告や販路は限定していますので、お客さまになかなか認知が届いていないところがありますが、「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」はお試しいただいたお客さまに非常に好評で、お喜びの声、口コミを多くいただいています。こういった口コミから新たなお客さまとつながっていると感じています。
また最近は販路の方もアットコスメストアをはじめとした化粧品専門店に、限定的ではありますが拡大しています。だんだん認知も上がってきていると感じています。そうした結果、16年に発売をして2度のリニューアルを経まして、累計販売本数1900万本を突破する大ヒット商品になりました。
お客さまのクレンジングに対する不満の声には、メイクが落ち難い、濡れた手で使えない、洗った後につっぱるなどがあります。こういった負を解消すべく、「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」はクレンジング力、使い勝手はもちろん、植物美容オイルを使って必要なうるおいをしっかり残しつつ、明るい柔らかい素肌に洗い上げる美容クレンジングオイルになっています。柑橘系の香りもご好評いただいており、価格を上回る品質の良さが支持を得ています。
昨年11月にリニューアルし、素肌の明るさ、クレンジング効果なども進化をしています。リニューアル前から比べると、販売数は1.5倍に伸びています。それと以前は、ほとんど男性のお客さまがいらっしゃらなかったんですが、最近は5%ぐらいまで増えている状況です。
今後の化粧品業界は、ジェンダーレス、ボーダーレスの世の中が広がっていくと考えています。今年に入って国内ではインバウンドの活性化もありまして、百貨店、ドラッグストア、インターネットそれぞれ前年を大きく伸長しています。特にデパコスの高級価格帯のプレステージブランドに加え、コンビニにも展開をしているプチプラの韓国コスメは若年層を中心に伸長しています。まさにコスパをシビアに見極める世の中になってきていると感じています。
プレステージブランドと同等の品質をお求めやすい価格で展開してるアテニアには追い風です。今後もアテニアらしさ、お客さまのインサイトに響く、お客さまに喜ばれる商品開発をしていきます。そして12月に年間ベストコスメ総合大賞をいただけるように頑張ります。
月刊『国際商業』2024年08月号掲載