ファンケルの2024年3月期通期業績は、売上高が前年同期比7.0%増の1108億8100万円、営業利益60.3%増の125億7000万円、経常利益51.2%増の129億4000万円、親会社株主に帰属する当期純利益77.7%増の88億3300万円と増収大幅増益で着地した。
事業別に見ると、化粧品関連事業は売上高6.5%増の612億600万円となった。ファンケル化粧品は、2023年4月に発売した「マイルドクレンジングオイル<ブラック&スムース>」に加え、メイクやスペシャルケア製品などが好調に推移したことにより、売り上げは6.0%増の446億4800万円となった。アテニア化粧品は、2023年11月にリニューアルした「スキンクリアクレンズオイル」が好調だったことに加え、外部通販の伸長により、売り上げは13.0%増の151億9300万円だった。boscia(ボウシャ)は、リアル店舗向けの卸販売が振るわず、売り上げは18.6%減の6億3700万円と苦戦した。
販売チャネル別売り上げは、通信販売は6.8%増の335億5400万円、店舗販売は8.1%増の127億8300万円、卸販売他は4.3%増の91億7900万円、海外は5.0%増の56億8900万円といずれも堅調だった。営業利益は増収により売上総利益が増加したことに加え、広告宣伝費等において効果的な経費の使用に努めたことなどにより、43.4%増の84億6600万円の大幅増益。
栄養補助食品関連事業の売上高は、広告を強化した「大人のカロリミット」や、インバウンド需要の回復により「年代別サプリメント」が好調に推移し、9.7%増の437億2300万円の増収となった。
販売チャネル別売り上げでは、通信販売は4.8%増の190億4100万円、店舗販売は27.0%増の74億400万円、卸販売他は8.4%増の125億1400万円、海外は10.1%増の47億6100万円となった。営業利益は、増収により売上総利益が増加したことに加え、広告宣伝費等において効果的な経費の使用に努めたことなどにより、72.3%増の59億800万円の大幅な増益となった。
その他関連事業の売上高は、5.2%減の59億5200万円となった。営業利益は、減収による売上総利益の減少などにより、2億8500万円の欠損に転落した。
25年3月期通期業績は、売上高6.9%増の1185億円、営業利益15.3%増の145億円、経常利益12.0%増の145億円、親会社株主に帰属する当期純利益13.2%増の100億円を見込む。
ファンケルグループでは、25年3月期を初年度とする中期経営計画の方針のもと、国内事業の収益基盤の強化に加え、海外事業の拡大を推進していく。
化粧品関連事業は、ファンケル化粧品において24年4月に発売した無添加スキンケアシリーズ「トイロ<医薬部外品>」や、主力製品の「マイルドクレンジングオイル」シリーズを中心にマーケティング投資を行い新規の顧客獲得を目指す。アテニア化粧品は、24年3月発売の「ドレススノーフェイシャルウォッシュ」や、基礎スキンケアライン「プリマモイスト」のリニューアルにより売上拡大を図る。海外においては、中国越境ECの継続的な成長に加え、一般貿易販売を開始。また、中国以外のASEANにも積極的に展開する。
栄養補助食品関連事業は、引き続きスター製品である「カロリミットシリーズ」「内脂サポート」および「えんきん」などを育成するとともに、女性カテゴリ、プレシニアカテゴリを強化し、売上拡大を図る。海外は、「体内効率」を継続して訴求し、SNSやECモール内でのコミュニケーションを強化し、ブランディング・商品育成を図る。