英国発の化粧品ブランド「ザ・ボディショップ(The Body Shop)」が、今年の2月初旬に英国事業の破綻を発表した。ザ・ボディショップは、1980年代から自然由来の成分を前面に打ち出し、動物実験に反対し、リフィル方式を推進してプラ容器削減を提唱するなど、先駆的取り組みを積極的に展開してきた。倫理的価値とビジネスは両立可能であることを示す企業として、化粧品業界のみならず、幅広い業界で注目されていた。

それが、英国事業の破綻を発端にドイツ、アイルランド、オーストリア、ルクセンブルク、フランス、2月末はデンマーク、ベルギー、3月には米国事業で販売停止、カナダも店舗の一部を残すのみと、欧米で破綻の連鎖が続いた。3月18日付のニュースによれば、英国で閉鎖する75店舗中、46店舗がすでに閉店、21店舗も3月20日に店じまいをするという。オンライン販売も、破綻の発表から約2カ月が経過した4月初旬でも「新しいコンテンツで戻ってきます」というメッセージが現れるのみである。


閉店したベルギーのブリュッセル南駅店(左)と、オランダのデンハーグ店(右)。
オランダには47店舗あり、当面営業続行だが、今後、どのような影響が及ぶのかは不明だという

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