マス領域では相変わらずの強さを発揮

P&Gは、ヘアケア市場でも生活者起点のモノづくりを貫く構えだ。同社によると、急速な物価高にもかかわらず、同市場は金額ベースで成長を継続。成熟市場の日本において引き続き活況なカテゴリーと位置付けている。また、同社の調査では、髪のコンディションに満足している日数は、男女ともに1年のうち3分の1しかない。多様なメーカーが新ブランド、新商品を相次いで投入しているにもかかわらず、3分の2の生活者が日常的に髪への不満を抱えていることは「市場に成長機会がある」(P&Gジャパン広報)という見立てだ。

同社の競争優位性は、深い消費者理解に基づく商品開発力とマーケティング力が生み出している。価格帯別のセグメント、提供する便益や形態などに合わせて幅広い商品ラインアップを展開することで、価値観が多様化する生活者ニーズに対応。「多くの消費者が持つ髪の悩みを解決することで市場拡大に貢献していきたい」(P&Gジャパン広報)としている。その一例は、ヘアケアブランド「パンテーン」が日本で初めてアウトバスタイプの「洗い流さないトリートメント」を発売したことでもわかる。現在でもトリートメントカテゴリーNo.1ブランドとして、市場成長に欠かせない存在になっている。

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