商品開発でこだわる三つのポイント
I-ne（アイエヌイー）は、ヘアケアのハイプレミアム（単価1400円以上）市場を生み出した立役者だ。始まりは2015年発売のブランド「BOTANIST（ボタニスト）」である。主力商品のシャンプー、トリートメントの価格はそれぞれ1400円。二つで2800円と高単価になるが、ブランド累計販売数は1億7000万個（全カテゴリの累計販売実績、15年1月〜23年12月）と驚異的な実績を叩き出している。さらに21年発売のヘアケアブランド「YOLU（ヨル）」もハイプレミアム商品を展開し、22年10月と11月はドラッグチャネルのヘアケアシリーズ別売り上げシェア1位を獲得した。同社は23年のヘアケア市場企業別シェアランキングでトップに立ち、いまも市場拡大の主役だ（※1）。
※1：2023年1〜12月のドラッグストア市場における単体企業別のシャンプー・リンスカテゴリー販売金額より（アイエヌイー調べ）
アイエヌイーの強さは、半歩先のトレンドを捉え、それを消費者に分かりやすく届けることに全力を注ぐことにある。それは二つの要素で成り立っている。まず商品力とクリエイティブ力を生かして、「アート」「サイエンス」「クラフト」の三つの体験価値を高めることだ。
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