連載「Focus」は、社会や暮らしを変える商品やサービス、技術の裏側に迫る企画である。革新的な商品、ニッチだけれど根強い人気サービス、新しいデジタル技術。これらは、どのように生まれたのか。開発の原点はもちろん、あまたの壁を越えたプロセスなどを掘り起こし、世の中に発信。それにより化粧品・日用品業界の存在意義を知らしめるとともに、次のイノベーション創出を後押しする。これが「Focus」の狙いだ。

おへそ研究20年が結実―ティックトックで若者が熱狂

ニッチなニーズは、どんな時代も消えることがない。特に価値観が多様化し、マス商材が新鮮味を失う中、一部のコアなファンに愛され続ける商品は、BtoCであれ、BtoBであれ、企業にとって利益を生む貴重な財産になるだろう。だから、さまざまな場面でニッチな商品の開発競争が熱を帯びている。

ニッチへの対応は、小さい会社の専売特許ではない。例えば、マスブランドに長ける花王は、2018年にオープンイノベーション・プラットフォーム組織「ファンテック Lab&Biz(ラボ&ビズ)」を立ち上げ、「N=1起点のサービス開発」に挑んでいる。アイデアや技術を社内の研究所から公募し、商品化。テスト販売中に寄せられたお客の声を反映させ、本発売を目指すプロジェクトだ。

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