〝老舗企業が陥る罠〟とはまったく無縁の実績

広島県福山市の化粧品専門店「LOOK(ルック)」が創業100周年を迎えた。東京商工リサーチセンターの分析によると、2022年に倒産した企業の平均寿命は23.3年。産業別に見ると、製造業は35.7年、小売業は23.9年である()。同センターは老舗企業が倒産、休廃業する共通項を挙げている。金融機関や取引先と深い関係を築いているものの、過去の成功体験から脱せず、外部環境の変化に対応が遅れがち。代表者は高齢になり、生産性向上や市場拡大への投資を控える傾向が強く、事業承継や後継者育成も後手に回りやすい。だが、創業から1世紀の老舗企業LOOKは、いずれも当てはまらない。

2022年の全国倒産6428件(負債1000万円以上)のうち、創業年月が不明の779件を除く、5649件を対象に分析。業歴30年以上を老舗企業、同10年未満を新興企業と定義し、業歴は法人が設立年月、個人企業は創業年月で起算。

LOOKは福山エリアにさんすて福山店、天満屋福山店、ポートプラザ福山店、フジグラン神辺店、尾道福屋店の5店舗を展開している。22年4月に増床リニューアルしたさんすて福山店は、185坪、約400ブランドを取り扱う超大型店になった。それから23年9月までの1年半の間に、LOOK福山エリア全店で1回以上購入したポイントカードを持つお客は1万8300人。福山市の18歳から59歳の女性は11万1000人で、約16.5%がLOOKで購入経験があり、そのうち25%は20代である。地域密着型の小売業では驚異的な数値だろう。

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