化粧品専門店「おしゃれの店 博多屋」の歴史は古い。創業は1883(明治16)年で、小間物屋からスタート。戦後の混乱期に化粧品事業を立ち上げ、今に至る。店は約400軒が軒を連ねる長崎一の繁華街「浜町アーケード」の中心部にある。向かいにあるのは、地元で有名な文房具専門店「石丸文行堂」で、休日、平日を問わず、店頭の人通りはにぎやかだ。最盛期で年間267隻の大型クルーズ船が入港し、インバウンド需要も取り込み順風満帆だったが、コロナ禍で状況は一変。外国人観光客は消え、シニアを中心に外出が減り、現在の売上高はピーク時から約30%減になっている。しかも長崎市の流出人口数は全国の市町村でトップクラス。人口(2022年2月28日時点)は40万5251人。そのうち女性は約22万人もいるとはいえ、化粧品店の商圏としては厳しい状況に陥っている。それもあって、すでに長崎市は化粧品専門店の不毛地帯になった。市内には数軒を残すのみで、博多屋は、長崎市の「専門店文化」を守る最後のとりでと言っていい。博多屋の5代目社長、山﨑晃裕さんは、化粧品販売事業の存在意義を高めるために、音楽事業、社会貢献活動などに取り組む。経営者としての思いを聞いた。


大正〜昭和初期(推定)は博多帯の製造小売を手掛けていた

120年の歴史を持つ長崎一の繁華街「浜町アーケード」

山﨑晃裕社長


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