鼎談
由佐幸継(粧苑すきや代表取締役)
丸田茂晴(マルタ代表取締役)
遠藤宗(アイスタイル代表取締役社長COO)

粧苑すきや(宮城県仙台市)の由佐幸継氏、マルタ(神奈川県小田原市)の丸田茂晴氏、アイスタイル(東京都港区)の遠藤宗氏は、化粧品専門店業界で知らぬ人はいない経営者であろう。3者の考えの共通項は、店づくりへの強いこだわり。昨今は、そこへの意識が薄れているのではないか、と警鐘も鳴らす。化粧品専門店業界の現状と未来をテーマにした鼎談は、製販それぞれに刺激を与える有意義な時間になった。

売れる店だけを評価してはいけない

――2023年はチェインストア制度100周年の節目の年です。改めて化粧品専門店の存在意義について、どのように考えていますか。

由佐 戦後、化粧品市場のサイズをここまで大きくしたのは化粧品専門店ですが、その地位は揺らいでいます。ECを含めて流通の多様化により、生活者から相手にされなくなっているのは事実です。原因の一つは、売り場面積が非常に狭いことでしょう。小規模な店舗になるほどメーカー専売が多く、売り場を編集する概念があまりない。メーカー任せの売り場づくりで繁盛店をつくれる時代はありましたが、今は違います。お客さまが面白いと思うセレクト性が一段と強く問われているのです。

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