日本化粧品受託製造業懇談会(JC・OEM)は、「第28回JC・OEMセミナー」を10月16日に東京都北区の北とぴあで開催した。リアルでの開催は4年ぶりとなる。

セミナーに先駆け、冒頭に第22回JC・OEM定時総会を開催。天真堂、東洋新薬、ルックの3社が入会し、2023年8月末時点の会員者数は、108社となったことを報告した。

続くセミナーでは、「喫緊課題〝SDGs〟と〝中国薬事への対応〟」のテーマで実施。日本ロレアルの楠田倫子ヴァイスプレジデントコーポレート・レスポンシビリティ本部長とWWIPコンサルティングジャパンの花田舞佳シニアコンサルタントが講演した。

SDGsと中国薬事対応の二つの喫緊の課題でセミナーを実施

楠田本部長は、「化粧品業界におけるSDGs〜ロレアルグループが取り組むサスティナビリティ」の演題で、ロレアルが2030年までの目標として掲げる気候変動、水資源、天然資源、生物多様性、社会課題の五つの項目に関する取り組みのほか、パートナー企業とのグローバルの取り組みを紹介。また、日本における取り組みとして、CO‌2排出削減、ゴミ・廃棄物削減を中心に紹介。日本ロレアルとして22年7月に国内全拠点においてカーボンニュートラルを達成していること、ランコム、シュウウエムラなど傘下11ブランド協働で実施するテラサイクルとの包括的パートナーシップ、廃棄処分になる予定だった商品をオフィスの壁タイルやテーブルカウンター、塗装などの建材に活用していることなど、極限まで廃棄を減らす取り組みについて説明した。

また、サプライヤーとのパートナーシップにおける指針についても紹介。具体的には「まもる」「エンパワーする」「よい影響をもたらす」の三つの指針を掲げ、サプライチェーンのいかなる段階においても人権の尊重を第一に考え、ロレアルが目指すサステナビリティのビジョンや知見をサプライヤーと共有し、ともに持続可能なビジネスモデルの構築を進め、社会や環境により良い影響を共に与えていくことを目指す。

「当社1社では小さな変革しか起こせないことでもサプライヤーの皆さま方とともに歩むことでより大きな変革を生むことができるはずだと考え、これらの三つの指針を大切にしています」(楠田本部長)

続いて登壇したWWIPの花田シニアコンサルタントは、21年に行われた31年ぶりの化粧品監督管理条例の改定に関して講演。化粧品OEM会社が知っておくべき新条例の主な10の変更点や運用方法が変わり続ける原料品質安全情報、24年以降の注意点などを紹介した。

月刊『国際商業』2023年12月号掲載