日本では、アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)といえば、花粉やダニ、猫、そしてナッツなどの食品に対するものが代表的ではないだろうか。昨今では、洗剤や柔軟剤などに含まれる人工的な香料に対する過敏症が「香害」(コウガイ)としてメディアなどでも取り上げられるようになってきた。こうした情報では、合成香料やそれを溶かす溶剤といった人工的な化学物質だけが悪玉のように語られがちだが、実はバラやジャスミンの花から抽出される植物性のものや、ムスクなど動物性のものも、粘膜や皮膚を刺激してくしゃみや鼻水、かゆみなどを引き起こす人が少なくないことが、欧米ではかなり前から問題となってきた。

世界各地で数々の量的調査が行われているが、製品に含まれる香料になんらかの刺激性のかゆみや不快感などを覚える人は約3割、より狭義なアレルギー反応を引き起こす人は1~10%程度(調査により大きく異なる)とみられている。その症状は、大きく分けて呼吸器系、鼻や眼に対するものと、皮膚に起こるものがあり、この他にも頭痛や呼吸困難、胸を締め付けられるような痛み、喘息などを引き起こす場合もある。

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