ファンケルの化粧品事業は、次の時代を見据え、ブランド方針を刷新した。ブランドの個性に磨きをかけ、競合との差別化を促進。ファンケルらしい尖った価値を国内の生活者はもちろん、アジア、欧米へと発信することで、グローバル視点でファンケルのファンを増やす考えだ。ブランド方針策定の旗振り役を務めた堂下亮執行役員は「私たちには成長のチャンスが訪れている」と語る。堂下執行役員が社長を兼務するネオエフを含め、ファンケルの化粧品事業の成長戦略について話を聞いた。
社会が求める肌不調へのアプローチ
――ファンケルの化粧品事業はコロナの打撃を受けましたが、反転攻勢は進んでいますか。
堂下 まず市場環境は追い風が吹いています。脱マスクが進むことで、スキンケア、メイクともに需要が回復。2023年2月ぐらいからインバウンドも復調傾向になり、他社と比べて出遅れていた百貨店の数字も4月以降は競合と遜色のないレベルになっています。コロナを機に、美容や健康への意識が高まり、特にスキンケアにおいて自分の肌に合う商品を使いたい、とリアルとネットを組み合わせて賢く商品を選ぶ生活者が明らかに増えています。ファンケルはインターネットを生かしたビジネスに一日の長があります。SNSで情報を得て、通信販売で買う生活者の増加がビジネスチャンスなのは間違いない。その一方で、リアルの接点があるから、ファンケルに興味を持っていない生活者にアプローチすることもできる。そういったお客さまがリアルで商品に触れ、情報を得てブランドの魅力を知り、その場でウェブを通じて買うこともできます。今後は美容意識が顕在化した男性もターゲットになるでしょう。オンラインとオフラインそれぞれのノウハウを持つファンケルは、多様な顧客体験を創出することで、新しい成長の機会をつかめると信じています。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。
- 1
- 2