「北方美谷」の地域的特徴

中国の化粧品産業集積地と言えば、広州を中心とする「珠江デルタ地域」と上海を中心とした「長江デルタ地域」に目を向けることが多い。前者は、中国化粧品産業の最大拠点とされており、数十年の発展を経て、今では中国で最大規模の化粧品産業クラスターとして名をはせている。また後者は、世界の化粧品ビジネスのトレンドに追いつき、積極的な外資導入によって、多くの海外化粧品企業の進出だけでなく、国際的な化粧品企業のアジア太平洋、または世界市場に向けた研究開発センターやマーケティングセンターも集中しており、中国化粧品産業の近代化を加速させた産業基盤を築いた。

珠江デルタ地域、長江デルタ地域に続いて、近年済南市を中心とした山東省は、地理的優位性や原料開発製造の優位性および政府の政策的支援などを背景に、中国の新たな化粧品産業クラスターとして成長の一途をたどっており、「北方美谷(「北方地域のコスメティックバレー」の意)」と称されるようになっている。

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