コーセーの2023年12月期第1四半期の連結決算は、売上高が前年同期比15.5%増の681億5800万円、営業利益が58億3300万円(同54億6200万円増)、経常利益が同120.2%増の66億7100万円、純利益が同171.1%増の38億9700万円と増収増益となった。

セグメント別にみると、化粧品事業はハイプレステージの「コスメデコルテ」が中国および韓国では苦戦したものの、日本で引き続き好調に推移した。そのほかのメイクアップブランドでは「ジル スチュアート」、「アディクション」が伸長。欧米で展開する「タルト」は、主力商品や新商品が売り上げを伸ばした。プレステージの主力ブランド、「雪肌精」や「ONE BY KOSÉ」も回復基調で、結果、売上高は同19.6%増の558億8300万円、営業利益は同256.9%増の64億6000万円となった。

コスメタリー事業は、コーセーコスメポートが中国で苦戦したが、日本では堅調に推移。また、「ヴィセ」がメイクアップ市場の回復により好調だったため、売上高は同0.6%減の117億5800万円、営業利益は4億7400万円(前年同期は4億9800万円の営業損失)となった。

その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加したため、売上高は同14.1%増の5億1600万円、営業利益は同5.9%増の1億9400万円となった。

地域別売上高の構成比は、日本60.6%、アジア18.6%、北米19.0%、その他1.9%で、海外売上高比率となった。日本は、百貨店・専門店チャネルにおけるハイプレステージは引き続き好調。ドラッグストアなどのマスチャネルも、プレステージの主要なスキンケアブランドが回復基調。結果、売上高は同13.0%増の413億900万円となった。

アジア市場は、中国で百貨店やトラベルリテールが回復傾向にある一方、Eコマースでは、3.8婦人節セールで実績が伸び悩んだ。韓国のトラベルリテール事業は、流通側の仕入れ抑制により大幅な減収。結果、売上高は同10.1%減の126億5900万円となった。

北米市場は、タルトがSNSでのプロモーションを通じて新商品の売り上げが伸長したことから、プレステージメイクアップ市場において高い市場シェアを維持した。また店舗数の拡大に加え、円安進行の影響により、売上高は同76.5%増の129億2600万円となった。

欧州などその他の地域では、タルトが売り上げをけん引し、売上高は同20.6%増の12億6200万円となった。

23年12月期は、売上高が前期比5.5%増の3050億円、営業利益が同5.1%減の210億円、経常利益が同28.5%減の203億円、純利益が同29.1%減の133億円の見通しで、期初の予想を据え置く。