資生堂は、細胞同士を接着させる分子であるE-カドヘリンの減少が、メラノサイトの活性化、メラニンの過剰生成、メラノサイトの停滞、メラニンの取り込みといった、シミ部位特有にみられるさまざまな肌内部の悪化現象を引き起こす一因であることを突き止めた(図1)。

図1 E-カドヘリンのシミへの関与メカニズム(イメージ図)

メラノサイトが正常に機能するには、適度な細胞接着の存在が必要である。そこで資生堂は、細胞接着において特に重要な分子であり、皮膚組織の恒常性維持に重要なE-カドヘリンに着目し、2006年からシミとの関連性について研究を進めてきた。今回、ヒトの皮膚を用いて、正常な部位とシミのある部位を比較したところ、シミのある部位ではE-カドヘリンが減少していることを発見。さらにE-カドヘリンの発現が抑制された表皮細胞由来の分泌物質をメラノサイトに作用させると、メラニン生成に関わる因子であるチロシナーゼの発現が過剰になることも見いだした。

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