ファンケルは2月22日、「プラスチックが循環し続ける社会」の実現に向け、PET素材の再利用促進を目的にキリンホールディングスと連携を開始したと発表した。両社は、2019年の資本業務提携を契機にさまざまな協業を進め、シナジーを生み出しており、今後は、プラスチックの資源循環をはじめとする環境課題の解決についても連携して取り組み、環境におけるシナジーを創出していく考えだ。

ファンケルは、21年7月から独自の取り組みとして「FANCL リサイクルプログラム」を実施。具体的には、使用済みの化粧品PET容器を、一部の直営店舗で回収して植木鉢にマテリアルリサイクルを行い、横浜市のガーデンイベントに寄贈している。

同プログラムは、今後も継続を予定しているが、マテリアルリサイクルは、PET素材の品質の持続性に課題があることから、資源循環のリサイクル手法としてケミカルリサイクルへの切り替えを検討している。

一方キリンは、20年12月から三菱ケミカルと先行してPETケミカルリサイクルの実用化に向けた共同プロジェクトを開始している。19年2月に策定した「キリングループ プラスチックポリシー」の「日本国内におけるリサイクル樹脂の割合を27年までに50%に高める」という目標達成に向け、同プロジェクトでは、廃PETボトル以外の廃PET製品を回収する仕組みも合わせて構築し、将来的には「PET製品からPET製品」への再生を目指している。