2022年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

はじめに、新型コロナウイルスに罹患された皆さま、また、昨年7月の熱海の土石流災害をはじめとする日本各地で発生した自然災害により被害を受けられた皆さまに対し、心からお見舞い申し上げますとともに、新型コロナウイルスの治療に対峙されている医療従事者の皆さまのご尽力に感謝申し上げます。そして、昨年中、弊社並びに弊社商品に対し、格別なご高配を賜わりましたことに、厚く御礼申し上げます。

2021年を振り返りますと、前年からの世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が続き、「With コロナ」という言葉が示す通り、コロナ禍とどう向き合っていくかが問われた年であったと思います。そのような中、残念ながら無観客ではありましたが、東京オリンピック・パラリンピックが無事に開催されました。スケートボートなどの新競技を中心に、多くの若い選手が楽しそうにのびのびと演技し記録を更新して、メダルを獲得する活躍が印象的でした。また、アメリカ大リーグでは、二刀流で活躍した大谷翔平選手が満票で日本人として20年ぶりのMVPを獲得、ショパンコンクールでは、16年ぶりに2名の日本人が入賞し、2位の反田恭平さんは51年ぶりの快挙と、様々な分野で日本人が世界に認められたうれしいニュースが届いた1年でした。

2021年の弊社クラシエホームプロダクツは、新中期計画(21~25年)をスタートさせました。ヘアケアカテゴリーでは、主力ブランドの『いち髪』からプレミアムダメージケアシリーズの「いち髪 THE PREMIUM(ザ・プレミアム)」を発売して、ベーシックの予防美髪ケアシリーズとあわせて“日本の髪を本質から考えて、きれいにする”ヘアケアブランドに進化させました。9月には発売15周年を迎え、「日本の美しい四季と香り」をテーマに、限定商品の発売やプレゼントキャンペーンなど、「いち髪 15TH THANKS YEAR」企画を1年にわたって展開中です。2月に指通りさらりとまとまる新ライン「スムース&リペア」を発売した『ディアボーテ』は、複数の美容師の方が新ラインや既存ラインの商品を評価してくださり、ご自分のYouTubeチャンネルで配合成分などを詳細に説明しながら紹介してくださったことも一因となり、ブランド全体の売り上げを伸ばしました。また「マー&ミー」は1月に「リンスインシャンプー」を発売し、同時に、ママの頭をお子さんに洗ってもらう「ぎゃくシャンプー」を提案するなど「おやこの時間」を大切にする企画を展開しました。11月にはママの投票で選ばれる「マザーズセレクション大賞2021」(主催:一般社団法人日本マザーズ協会)を受賞することができ、「マー&ミー」がママと子どもで使いたいブランドに成長していることを実感しております。

スキンケアカテゴリーでは、「ナイーブ」の「薬用泡ハンドソープ」を「すみっコぐらし」コラボデザインで定番化。ボディソープは、夏のスポーツ需要に向けた限定商品やキャラクターコラボ商品などを投入し、家族みんなの楽しいバスタイムを提案いたしましたが、定番での売上減少などで苦戦いたしました。また『肌美精』は、インバウンド需要減速の影響を受けたマスクシリーズの売上回復が遅れておりましたが、3月に発売した薬用ニキビケアシリーズ「肌美精CHOI(チョイ)」が、感染対策用のマスク着用生活が長引く中でのニキビ・肌あれ悩みニーズの高まりに加え、ある男性ユーザーがTikTokで「ニキビケアにはCHOI」と紹介したことから火がついて、計画以上の売れ行きとなりました。現在は生産体制が整いましたが、一時期はお取引先様にご迷惑をおかけしてしまいました。しかしこれにより、「肌美精」マスクは復活のきっかけをつかみました。

そのほか、メンズ市場へ挑戦した、むだ毛処理剤「エピラットオム」やヒゲ剃りのことを一番に考えたスキンケアブランド「FUNDAY(ファンディ)」、クラシエとして初めてクラウドファンディングを活用した売り方に挑戦した「ダンベルボディソープ」などの新たな取り組みも行いました。

おかげさまで、2021年のクラシエホームプロダクツは増収増益を確保することができました。あらためて深く感謝申し上げます。

2022年は、原油やその他各種原料の価格高騰の懸念に加え、新たに発生した新型コロナウイルスのオミクロン株など、先行き不透明な要因が多数考えられます。しかしながら、このような時こそ、固定概念を捨て去り、挑戦し、変化を起こすことで未来をポジティブに、というクラシエグループの合言葉「CRAZY KRACIE」のもと、マーケティングも営業も研究も、そのほか全社すべての部門で「常にお客様目線」に立ち、「わくわくする商品の開発」、「わくわくする使い方の提案」、「わくわくする売り方の提案」を行ってまいりたいと存じます。

最後になりましたが、皆さまにおかれましては、より一層のご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げますとともに、益々のご健勝とご繁栄を祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 行武久幸(クラシエホームプロダクツ代表取締役 社長執行役員)