プラスチック使用量の削減は喫緊の課題だ。P&Gのヘアケアブランド「パンテーン」の新しい取り組みが注目を集めている。長年の研究の末、リサイクルしやすい詰め替え用パッケージの新素材を開発するとともに、P&Gジャパンとして初めてアルミボトルを採用。この二つの打ち手で、ヘアケアカテゴリーにおけるプラスチック削減に一石と投じる考えだ。P&Gジャパン合同会社の田中康之執行役員に取り組みの詳細を聞いた。

環境課題の大きな一手となる新素材を開発

――主力ヘアケアライン「新パンテーン エフォートレスシリーズ」で、単一素材を採用したリサイクル可能(※1)な「詰め替え ECOPOUCH TM」、耐久性に優れ再利用可能なアルミニウムを採用しプラスチック使用量を最小限に抑えた「アルミボトル」を採用した製品を発売しました。

※1 使用後の容器を指定の回収ボックス経由で適切に回収された場合

田中 P&Gでは「Ambition 2030」を策定し、2030年に向けた、環境に関わるグローバルでの目標を設定していますが、ビューティカテゴリーでは「責任を果たすP&Gビューティ」をミッションに、“2030年までにヘアケア製品のパッケージを100%リサイクル・再利用可能にし、25年までに再生素材ではない新品のプラスチック(バージン・プラスチック)を50%削減(※2)する”という目標を掲げています。直近では「パンテーン」のプラスチックボトルと詰め替え用パウチのデザインをアップデートし、年間約400トンのプラスチック削減を実現しています。同時に、プラスチック削減につながる新素材の開発も進めていました。一方では、消費者の方、小売店さまの環境意識も大きく変化しています。例えば今回、「詰め替え ECOPOUCH TM」を発売するにあたり実施した消費者調査では、以前よりも環境に配慮した製品の購入意向も高くなっていますし、小売店さまからは、環境意識の高まりを受けてサステナブルな製品の品ぞろえを強化し、売り場を広くとるようになったと聞いています。P&Gの環境に関わる取り組みと社会的な機運の高まりの中で、これまでにない新素材の開発にこぎつけ、今回の発売に至りました。

※2 2017年1月から12月に生産されたプラスチック総量との比較

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