抵抗なく予防的アプローチができる商品が重要
日本におけるエイジングケア用ヘアケア製品市場は、さらなる成長の可能性を秘めています。
MintelGNPD(世界新製品情報データベース)によると日本は現在エイジングケア用ヘアケア新製品の発売数において、世界のトップ6に入っています(5%)。しかしながら首位ブラジル(25%)と比較するとこのカテゴリーにはまだ発展の余地があります。
特に、日本は超高齢社会であり平均寿命が長いことで知られているため、「エイジング」はあらゆる年齢層の消費者が関心を持っています。Mintelの世界の消費者データによると、日本の消費者の41%が美容・スキンケアに対して予防的なアプローチをとっていることが分かります。
また、Mintelのデータによると、日本では80.2%の女性は、抜け毛や薄毛の問題について、他の人に相談することに対して抵抗があります。女性特有のエイジングに対する悩みに向けて、相談なしでより身近に使用でき、予防的効果のある製品選択肢を増やすことで、まだエイジングケアを取り入れることに抵抗を感じている若年層にもリーチすることができるでしょう。
ここからはMintel GNPDからピックアップした、ターゲットの消費者に向けてより明確なアプローチを実現した製品例をご紹介します。
<薄毛対策>
「Waphyto スキャルプローション」は、乾燥、薄毛、白髪に対処し、頭皮に潤いを与え、健康な髪の成長を促します。 さまざまな植物成分のほか、グリチルリチン酸ジカリウム、ナットウガム、ヒノキチオール、加水分解酵母エキスを配合しています。
<抜け毛、フケ対策>
「MICHIRU Pro Hair + オールスカルプタイプヘアトニック」は髪の成長を促進し、栄養を与え、抜け毛、薄毛、かゆみ、フケを防ぎます。医薬部外品のリーブイン処方で、成分が頭皮の奥まで浸透し、血行を促進します。
<エイジングケア>
「SUNA バイオショット スカルプエッセンス ダブルブラック」 は、髪を染めずに白髪を黒くし、頭皮環境を整えることでヘアサイクル(髪の生え変わりサイクル)を整え、ハリ・コシのある豊かな髪に仕上げるヘアトリートメントとして発売されています。
毛髪診断サービスとオイルの可能性
日本のウィッグメーカーであるアデランスのように、抜け毛や薄毛の悩みを持つ人のために相談や診断を行う企業もありますが、コストやより消費者が手を伸ばしやすい製品作りには依然として課題があります。
その中で、コーセーは、銀座のコンセプトストアにおいてフェイスマスクファクトリーとデジタル毛髪診断システムという2つの新サービスを導入しました。毛髪診断システムは画像処理技術を用いて、顧客の髪質、状態、ボリューム、ダメージレベルを客観的に診断します。
また日本では、オイルを配合したヘアケア製品が人気を集めています。スカルプオイル、プレシャンプー、クレンジング、インバストリートメント、アウトバストリートメントなど、オイルを使ったヘアケアの無限の可能性を追求しています。また、熱や湿気、紫外線から髪を守る効果も期待できます。
<プレシャンプーオイル>
「アスレティア スカルプ&ヘアオイル」は、シャンプー前に頭皮をリラックスさせ柔らかくするスカルプオイルとして、また、しっとりとまとまりのある艶やかな髪に仕上げるための洗い流さないヘアオイルとしても使用が可能です。アレルギーテスト済みで、ISO16128に準拠した天然由来成分99%の処方です。
<クレンジングオイル>
毛穴に詰まった汚れをしっかりと落とす「SHIRO エイジングケア スカルプクレンジングオイル」は、くせ毛やうねりのある髪や細い髪に働きかけ、頭皮の乾燥による赤みやかゆみ、フケを防ぎます。
注:上記の製品は全てMintel GNPDからの掲載。
(ミンテル シニアビューティ&パーソナルケアアナリスト 長谷川怜子)
消費者が「何を」「なぜ」求めているかを探るエキスパート
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