花王は、化粧品事業において、美容部員を派遣している百貨店やGMSを中心に、新たな店頭顧客システム「FACE(フェイス)」を10月4日より順次導入する。導入店数は、約610店(1080コーナー)を予定している。

「FACE」は、美容部員の店頭活動をサポートする機能に加え、来店時以外でも、お客と店頭やブランドが直接つながり、一人一人に合わせた提案やサービスの提供ができる機能を持ったシステム。同システム導入により、一人一人のお客に寄り添いカスタマイズされた接客とサービスの提供を実現させ、より充実したブランド価値伝達を図っていく。

昨今、お客のデジタル環境は大きく変化しており、化粧品市場においても購買方法の多様化が進んでいる。また、SNSなどの普及により、手軽に情報収集することができ、これまで以上にさまざまな商品やブランドと出会う機会が増えている。そうした中、お客は自分にとってそのアイテムが本当に意味のあるものかをより吟味する傾向にあり、自分のためにカスタマイズされた商品提案やサービスを求める人が多くなった。

そこで花王は、化粧品事業において、多様化するお客一人一人のニーズに合わせた接客・サービス・提案を推進すべく、新たな店頭顧客システム「FACE」を導入するに至った。以前の化粧品売り場では、美容部員が、店頭顧客システムを、お客情報や接客情報の蓄積・管理、売り上・在庫の管理、肌測定分析結果の可視化など、主に店頭活動のサポートツールとして活用してきた。

今回、導入する「FACE」は、店頭活動をサポートするツールとしての基本機能に加え、強固なセキュリティ基盤のもと、肌解析サービスやブランドごとに展開するLINEミニアプリ、外部サービスと連携するなど拡張機能も搭載。これにより、お客は、自身のスマートフォンで、店頭での肌解析結果を確認することができるほか、オンラインカウンセリングやバーチャルメイクなどの店頭以外でのブランド体験も可能となる。さらに、会員証やカウンセリングシートなどもデジタル化することにより、情報リスクとペーパーレスによる環境への配慮にも対応する。

今後は、来店時以外にも、お客の状況に合わせた適切なタイミングで、ブランドの世界観や価値を伝え、一人一人に寄り添いカスタマイズした提案を行なうことで、お客とブランド、店頭のつながりをさらに強化していく考えだ。