ロート製薬は、OTC領域(一般用医薬品)における事業拡大を目的として、天藤製薬(本社:大阪府豊中市、社長:大槻良三)の3分の2超の持分を取得することを決議し、6月8日付けで株式譲渡契約を締結した。取得株式数は86万株で、議決権所有割合は67.19%となる。取得価額は契約上の関係のため非開示。2021年8月31日までの譲渡完了を目指す。

天藤製薬は、江戸時代後期に創業。1921年に設立された天藤薬化学研究所を原点とし、同年発売の日本の痔疾用新薬の先駆けである「ボラギノール」の製造販売を100年間続けてきた。医療用医薬品・OTC医薬品の痔疾用剤カテゴリーでそれぞれ、カテゴリーを先端でリードするポジションと高いシェアを有している。OTC医薬品では、商品とあわせてヘルスリテラシーを高めるための情報発信を重要視し、国内市場におけるブランド力やお客の支持は高く、また医療用医薬品では、医師の信頼も厚く、長期的に安定した事業を展開している。

ロート製薬の杉本雅史社長は、「長い伝統を持ち、顧客からの確かな信用に支えられた天藤製薬の痔疾用剤事業を引き継ぐことに大きな社会的意義を感じています。ロート製薬は、2030年のビジョンのひとつとしてOTC医薬品のリーディングカンパニーになることを目指しており、天藤製薬製品はその実現の大きな一歩となるだけでなく、弊社の海外ネットワークを通じて、子会社の販売網やマーケティングノウハウを活用し、大きく成長させることで、更に事業拡大を図り、将来的には世界中のお客様にお届けし喜んでいただけるものと考えています」と、天藤製薬の社長大槻良三は、「国内・海外・再生医療を含めたチャレンジ精神高い企業グループに育まれ、『ボラギノール』が更に患者さんに喜ばれるブランドに息吹を上げることに期待しています。人々の更なるWell-beingにつながり、健康で幸せな生活の実現にお役に立ちたいと思っています」とコメントしている。

なお、2022年度3月期の連結決算に与える影響は軽微の見通しだ。