地道な取り組みでファンが拡大
サラヤが展開する食器用洗剤「ヤシノミ洗剤」が、今年で誕生50周年を迎えた。日本の高度成長期に一般的だった石油系合成洗剤による河川や湖沼の水質汚染が大きな問題となっている中、「食器をきれいにする洗剤で、地球を汚すのは間違っている」との思いから、1971年に生分解性に優れたヤシの実由来の植物性洗浄成分を採用した「ヤシノミ洗剤」を発売。洗浄に不要なものは入れずに無香料・無着色。排水は素早く分解されて自然に還るなど手肌と環境へのやさしさにこだわった。現在では、日本を代表するエコ洗剤の代名詞的な商品として幅広い年代から支持を獲得している。その後もプラゴミ削減に配慮した詰め替えパックを業界に先駆けて市場投入するなど革新的な取り組みで存在感を着実に拡大。社会問題と事業を連携することを基本とし、天然素材を用いた商品づくりを軸としてきた。そして、そのコンセプトに共感する消費者からのリクエストを受け、衣料用洗剤市場に2016年に参入。「ヤシノミ洗たく洗剤」「ヤシノミ柔軟剤」を発売し、食器用、衣料用の両市場で「ヤシノミ」シリーズとしてラインアップを拡充している。
シリーズの根幹となる「ヤシノミ洗剤」は、原料の一つであるパーム油が、その原料生産地で環境問題を起こしていた。パーム油のほとんどは食用で、残りは化粧品やキャンドルなどの工業用。その中でヤシノミ洗剤が使うのはごくわずかだ。しかしサラヤは05年からRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に日本で初めて参加。同時に生産地のマレーシア・ボルネオ島の環境保全に売り上げの1%を還元する活動を15年間以上続けている。その結果、サラヤを代表する商品として環境意識の高い生活者をはじめ、地道にファンを獲得。ロングセラー商品の仲間入りを果たした。
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